電子書籍を作ってみた話
小説を書いている人の多くは書籍化に憧れたりするんじゃないかと思います。けどまあ商業で小説を書く、なんてことは誰にでもできるような簡単なことではないわけで、そうすると今度は自分で本を作ってみようかなってなるわけです。
でも紙の本は原稿を作るのが難しいし印刷代が高額なイメージがあってハードルが高いですよね。一度印刷してしまうと修正できないので校正に気を遣うし、私みたいに投稿した作品を読み返すたびに誤字脱字衍字をみつけてしまうケアレスミスが多いタイプには不向きです。
そういうわけで、前々から気になっていたということもあり、印刷代のかからない電子書籍を作ってみようと思ったわけです。
電子書籍について調べてみると、epubとかなんかこうよくわからない単語が出てきます。私は頭が悪いのでちんぷんかんぷんです。若い頃はわからないことをしっかり調べる根性もあったのですが、老化のせいか、最近ではそういった意欲的な行動が取れなくなってしまいました。
はやくも諦めモードに入っていた私ですが、無能な私に救世主が!!
みなさんは「カクヨム」という投稿サイトをご存知でしょうか。実はその「カクヨム」と「BOOK WALKER」という電子書籍販売サイトが提携して、カクヨムの投稿作品をそのまま電子書籍として販売してくれるサービスがちょっと前からはじまっていたのです。
やり方は簡単です。
カクヨムに作品を投稿して、小説管理画面で下の方にあるBOOK WALKERのバナーをポチッとするだけ。案内通りに(※)著者センターに登録してカクヨムのアカウントと連携させるとカクヨムにて公開状態の投稿作品一覧が表示されるので、電子書籍にして販売したい作品のタイトルをポチッ! 作品情報を入力して販売申請ボタンをポチッ!
なんとたったのこれだけで電子書籍ができちゃうのです。
すごい! お手軽! 便利!
ですが、ここでいくつか注意すべき点があります。
まずひとつ。
web小説は基本横書きで表示されることが多いため、webに小説を投稿する際には改行による空行を随所に使うことが多いと思います。ですが、カクヨム→BWでのepub変換では縦書き小説に変更されるので、空行は基本消去されてしまいます。
会話文前後の空行は縦書きになれば消えてもおそらく問題ないと思います。ですが、意味段落的なものや場面転換などで空行が必要なときもありますよね。そういうときは、空行の頭に字下げの要領で空白を1マス入力しておきましょう。これで空行を入れることができます。サブタイトルと本文のあいだも詰まってしまうので冒頭にも空行を入れるのがおススメです。
もうひとつ。
初心者の私では気付かなくてTwitterでフォロワーさんに教えていただいたポイントがあります。数字やアルファベットの半角/全角について。
カクヨム→BWのepub変換では小文字のアルファベットは横並びに表示されますが、大文字のアルファベットは縦書き方向に並べて表示されます。英文や単語はともかく、略称などを書くときは大文字のほうが見映えが良いのではないかと指摘を受けて、なるほどなぁと思ったので書き記しておきます。へへへ…
そういうわけで、epubの知識ゼロ、自分で調べる気力ゼロの私でも、無事電子書籍を作ることができたのでした。
ちなみに紙の本は印刷代が高いと書きましたが、最近は1冊からでも印刷してくれるお手頃な印刷屋さんがあったりします。「製本直送.com」さんとか「OneBooks」さんとか、印刷だけならわりとお手頃価格なので調べてみるといいかもしれません。
送料が結構高いので、本体価格だけでなくその他の諸費用もしっかり確認してね!
PDFデータ作れないよ!って場合でも「シメケンプリント」さんの「縦書きPDFメーカー」など、無料のPDFデータ作成サービスを公開しているサイトもありますので調べてみてください。
※著者センター登録は成人済みで金融機関の口座がある人じゃないとできません。ご注意ください。
今回作った電子書籍は「この島に雪は降らない〜柴咲もも短編集」というタイトルでBOOK WALKERさんにて販売しております。
リンクは貼れませんが、無料試し読みのページもあるので、よかったらサンプルがわりにでも見てみてください(*´ω`*)