7/26
じいさんの少林拳
「おい、起きろ」という声で龍治は目を覚ました。
朝だった。
疲れていたのか、ぐっすりと眠れた。
「お前、何しにきた?」じいさんが聞くと「武者修行です」と龍治は答えた。
「何だカンフーの修行か?」とじいさんは言い「それなら型を一つ教えてやるよ」と続けて言った。
「酔拳ですか?」龍治が聞くと「バカにするな。少林拳だ」とじいさんは言い、型を演じ出した。
「中々、見事ですね」龍治が言うと「当たり前だ。さあ、一緒にやれ」とじいさんは言い、再度、型の表演を始めた。龍治もマネてみた。
「中々センスあるな」とじいさんは言い、酒を飲み始めた。
「では、また」と言い、龍治はマンションを出た。