13/26
三強と女王
翌朝
リャンと龍治はセントラルに向かった。
セントラルはバイク集団の縄張りだった。
二人は様子を伺うため徒歩で行った。
「ハッピーバレーだ。昔、競馬場があった。俺達の馬は、ここで走っていた馬の末裔だ」とリャンは言った。
「ビクトリアピークには女王がいる。日本でいう天皇の様な存在で武力は無いが神聖かつ不可侵だ」と説明する。
二人はコーズウェイベイを通りながらセントラルに潜入した。
「ここからが危険地帯だ」リャンは双眼鏡を取りだし、遠方を覗いた。
「いるいる。見てみろ」と言い、リャンは龍治に双眼鏡を渡した。
龍治が双眼鏡を覗くとバイク集団が見えた。
「香港島は俺達と奴等、タイガーバームの奴等が三強だ。その上にピークの女王ビクトリアが君臨している」とリャンは解説した。