伝説の勇者とその一行
この国一番大きな都市「サタール」を出てきた4人組は、門番が頭を下げている様子を見て悪い気はしなかった。
「旅の資金もたんまりともらったし、装備も一級品。こりゃ、勝ち馬に乗っかったみたいだねー」
少々小柄で、頭には高級品である布をターバンのようにして巻いている少女が話す。
薄手の服を着ており、その手で大きく膨らんだ袋をポンポンと遊ばせている。
そのたびにジャラジャラと金貨がぶつかり合う音がする。
腰には装飾の施されたナイフの入った鞘がぶら下がっている。
「おい。そうやって遊ぶものではないぞ。それはこれからの旅の資金であって、決してお前みたいな盗賊がもっていい額ではないんだぞ。」
眉に皺をよせ、全身を鎧に身を包んだ長身の女が言う。
全身銀色の鎧姿であるその女は、長剣を脇に携えている。
金髪の長い髪が風に揺れているその姿は、物語に出てくる騎士のようであった。
「ふふふ・・・こんなにいい杖とマント・・・これで私の研究がまた一歩すすむ・・・」
顔は伏せて前からは見えない人物がつぶやいている。
サイズが少し大きめのマントをはおり、両手で杖を大事そうに抱えている。
時折杖がうっすらとひかり、そのたびにその人物の体もうっすらと光る様子がわかる。
「まーまーこれから4人で一緒に行動するんだから、仲良くいこーよ。こんだけちゃんとした装備を最初から手にして始められる冒険なんて、簡単も簡単なんだから」
4人を引き連れて、中心を歩く男が、他のメンバーを諌めるように言い聞かせる。
白銀の鎧に身を包み、装飾の施された剣を腰からぶら下げている。
一目でわかる、豪華絢爛装備を身にまとった一行は、まさに勇者とその仲間たちであり
門番の男は、下げた頭の中で。自分の力など足元にも及ばないと考える。
そしてそれは、事実、その通りである。




