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炉端焼き~ 火に炙って食うものは

豚バラでネギ巻きをしました。いわゆる炉端焼きメニューですね。なるべく肉厚で柔らかいネギの白いところを輪切りにして、豚バラの薄切りに塩胡椒をしたものを巻き付けます。炉端焼きですと、これを串にして炭火で炙りますから香ばしい脂が溶けて、熱した白ネギの甘味が惹きたってくるところです。まあ生憎我が家はオール電化、焼きもフライパンで蓋をしてというところでしたが、よく火は通ったので味は下手な炉端焼きよりは、安心して食べられました。

我が家に囲炉裏はありませんが、こんなとき、ふと考えるのは、火で炙ったものの美味さです。夏場にわざわざ火を起こして食べるのと違い、冬の焼き物は暖房器具でしたりするのがなんとも言えません。何故かわくわくしませんか。

西洋でも、薪の暖炉に燻製器を置いて冬場の食を確保したと言いますが、本邦では手炙りと言う小さな火鉢を重用した記録がまた、趣を感じます。司馬遼太郎さんの『新撰組血風録』に土方歳三が、餅を手炙りで焼くシーンがありますが、ああして昔の人はこまめに手近の火を利用したのでしょう。夏目漱石は、七輪でトーストを炙ったそうで。

電化になると懐かしいのは、灯油ストーブですね。焦げ臭い混合油の臭いは厄介ですが、食べ物の匂いがあいまうと、まさに風物詩で。代表格はやはりスルメ。凧のように豪快なゲソつきのスルメ烏賊をストーブで炙るのがまた堪りません。片側に少し反るくらいがベスト。焼きすぎると固くなりすぎ、せっかくの肉厚が損なわれてしまうので注意が必要です。

しかし何より美味しいのは、北海道産のホッケの干物です。最近は地元の物産展でもよく見かけるようになりました。身が黒くくすむほど魚の脂で濡れたホッケはストーブで炙るに限ります。皮つきでありまして身だけを軽く炙るのがこつと北海道民の友人に教わりましたが、何しろ脂が強く、気を抜くとすぐ美味しい時期を逃してしまいます。それでも巧く火が通ると、ほこほこ柔らか固い皮まで噛むとじゅわり魚のエキスがにじみだす絶品、おつまみになります。

他にも、油揚げを炙ったり、お餅やおにぎりを焼いたり。冬に火を起こす楽しみはつきません。お燗も温められるし、やっぱストーブ恋しいなあと懐かしみつつ、今夜も寒さをしのいで乾杯です(`ー´ゞ-☆今日はお湯割りかなあ…


(2016年2月4日掲載)


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