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金目鯛の煮つけ~春さやか魚味舌に清し

春らんまんがすぐそこまでやってきています。雪解け水のようなこの冷え込みも、残すところわずかに思える今日この頃。まだ肌寒い晩のお供は、まだ温かいものであったり。鱈の白子ぷるぷる、湯豆腐などもたまりません。そう言えば冬の魚と春の魚が、一度に楽しめるのがこの時期でありますな。ここから初夏にかけ、鯛が現れすぐ初鰹。かくしてまた季節がめぐるわけでありますが…

もう出始めの真鯛も美味しいですが、この時期、一度は箸をつけたいのが金目鯛でありますな( *´艸`)鱗の色は真鯛のそれより赤い、蟹のような深紅、目はぎらぎらの主張が強い金目鯛ではありますが、身は桜色、お刺身にすると真鯛より甘くて味わいが独特です。真鯛をはんなり京都の島原遊女とするなら、こってり衣装に白粉の吉原花魁が金目と言うところでありましょうか。

見た目も味もこってりだけに、やはり真骨頂は煮付けにとどめをさしますな。真鯛のあらやかまを煮てもそれはそれで美味しいですが、旬に銚子漁港などの魚どころにいきますと、必ず金目鯛は煮付け。これが最高です。

こってり外観のごとく、金目鯛はお砂糖をたっぷり入れて甘辛く煮付けるに限ります。もちろん丸のまま。お刺身にも出来そうな新鮮な金目を煮ると、見た目だけでも壮観です。けばけばしい赤は煮汁にほどよくこなれて、じわり脂が流れてきます。ぎんぎらの瞳はとろりと溶けて、もうまさに食べ頃。いちから煮てくれるお店などでは時間が掛かりますが、待った甲斐は必ずあります。

お供はお酒…の前に、やはり丼いっぱい盛った炊きたてのご飯でありましょう( ^ω^ )

箸でとると布団のようにたらりと垂れる、もっちりと脂肪をたたえた身に、甘辛の煮汁は実に力強く、ご飯ががばがば入ります。お菜に菜の花の辛子和えなどついていたら、もう止まりません。ご飯がなくなるまで無我夢中です。魚の脂とお米が通ったあとを、ぬる燗がそろりそろりと参ります。冷酒よりここはぬる燗、五臓六腑に春の暖気が染み渡ります。

ああまた海に行きたい。車だとお酒飲めないから電車お泊まりとかで。

そんなお話をしていたら、また銚子にでも遊びに行きたくなりました。

まだ早い春の旅を思いつつ、今夜は菜の花おひたしと湯豆腐をお供にしみじみと乾杯でありました…あ、雨の音( ´-ω-)


(2017年3月13日掲載)


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