師走のわさび味噌!
信濃に親戚がいる知り合いから、今年のわさび味噌をお土産に頂きました。
お刺身についてくるわさび味噌と来ると辛いばかりですが、わさびの辛さはああしてすりおろして時間が経ったものが空気に反応して強くなるもの。
茎や根を切り刻んで漬けた味噌はむしろ、わさびの風味の方を鮮烈に残しています。おろしたものでは直に口に入れるのもはばかるわさびですが、味噌漬けには鼻をぶん殴られたような辛さはありません。辛さは香りの鋭さかと感じるくらいです。
冷たい清流を好む信濃のわさびは、根菜類の歯応えを持ちながらも、口の中に泥臭さや繊維のかすを残しません。
茎を甘酢に漬けた瓶詰めなどもそうですが、わさびそのものを味わうなら香りさえ新鮮に保っていたなら、それは付け合わせと言うよりはそれだけで味わえる力強さをきちんと持ちえます。
わさびが刻み和えられた焼き味噌を木の杓文字に載せて焙った焼き味噌なども絶品です。
家人は胡瓜や蕪など生野菜につけて頂きますが、わたしはその焼き味噌か、なまの舐め味噌に小皿にひとすくい。
杉や檜の木の香がする樽酒をぬる燗にして頂くとより風味引き立ちます。これぞ寒さ深まる森の風味。
信濃の森と清水便りをお伴に。さあ今夜も乾杯です(`∇´ゞ
(2015年12月19日掲載)