ふきのとう~ 春待ちの風味!
ふきのとうが今年も出回り出しました。
ここから竹の子までは、香り高い春草の萌芽の季節。たらの芽も菜の花も、若い方がより個性をつけやすく、天ぷらやお浸しで出たての風味と食感が味わえます。
茎を食べる方が多いふきですが、やはり走りの初物にこそ、地味があるのかと今年は実感。寒さ迫る季節、ふきの芽は葉を硬くして個性を強くしていきます。好きな人間の目からみますと、そちらも香りが強くて魅力的なのですが、やはり出たてのほろりさっくりを味わいたいところ。
出たてのふきのとうは、色もまだキャベツより淡く、全体的に輪郭も薄いです。天ぷらにした身に歯を当てるだけで、ほろり崩れて。このとき立ち上る香りも苦味も円く、どこかほっとする風味です。天ぷらで飽きたらないなら細かく刻んでふきのとう味噌に。これなら常備菜として長く楽しめます。
いつもは瓶詰めをとるふきのとう味噌を今年は自作しました。細かく刻んだ菜を癖のない油で炒め、赤い味噌と甘めの日本酒、みりんで和えます。
とろり緑の舐め味噌は、ふっくら米香る吟醸酒などには最適。
これには肉付きふくよかな風味十分の成田山門前『鍋店』不動の生酒が合いましょう。淡い春の光を待ちながら今夜も乾杯です(`∇´ゞ
(2016年1月22日掲載)