фリラレシア 共通①
『ならん!!』
勇者は騎士の腹部に一撃を喰らわせる。
『騎士リョダクよ、私が死んだら後を頼む』
そう告げると勇者はたった一人、魔王との最後の戦いへ向かう。
『なぜ……貴女は……』
そのまま騎士は意識を手放した。
■
「こらー!!」
女子高校生はカラスを苛めるワルガキを見つけ、険しい顔で威圧。
「大丈夫カラスさん?」
小学生たちは向かってくる彼女に恐れをなして逃げる。
「カー」
というカラスの為に身を低く下げて、ハンカチで汚れを落とす。
「お礼言ってくれてるの?」
「カー!」
わかっているのか、いないのか良いタイミングでカラスは鳴く。
「私はね、天主愛涅って言うんだ。あなたの名前は~なんて、わかるわけないか……」
「アンタはあいかわらずね」
「うぉっ!?カラスがしゃべった!?」
愛涅は大袈裟に驚き、尻餅をつく。
「こらっ! うら若いレディがうぉ!とか言わない!!」
「なんでカラスがしゃべってるのおお!?」
さらにパニックになり、カラスから逃げ出そうとする。
「ふぎゃっ!」
「おっと……」
ぶつかった青年は愛涅を抱き止めた。
「あ、ごめんなさい」
愛涅のお礼に反応を示さない青年は彼女の顔をまじまじ見ると、手に持っていた鞄を落とす。
「……勇者様!?」