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§肉屋の娘 共通①


「新築マンションかー」


どこにでもあるような家庭に生まれた灰宮アカネ、18歳の長女、弟が一人いる高校を卒業したばかりの家事手伝い。

私は高校卒業をしたらイトコで父の実家の田舎の地主の本家の息子と結婚することになっていて就職などまったく考えていなかった。


「姉さん暇でしょ、見てくれば?」


弟ユキノは雑誌を眺めながら言う。

色素の薄い茶髪、容姿はすれ違う女子が振り向くくらい良い。


暇なのは結婚する予定だった男が駆け落ちしてしまったからである。


「暇だけど最近は近所で通り魔に女の子が刺されそうになったんでしょ?」


そんな物騒な世の中、理由なく外出するなんて危険じゃないの。


「犯人はラグビー部が取り押さえてつかまったってよ」

「あれアメフト部じゃなかったんだ。犯人逮捕済みならいいか」


私は新築のマンションを眺めにいく。


「わっ……すみません!」

「いや、こちらも前を見ていなかったので」


通行人の眼鏡男性にぶつかり、互いに軽く謝りながらすれ違う。


「わぁ……」


ようやく着き、景観を眺める。新築なだけでなく家賃が高そうなセレブっぽいデザインだった。


「見学ですか?」


住人と思わしき黒髪の男性が窓からたずねてくる。


「あ、はい」

「いえいえ」


私は恥ずかしさからそそくさとマンションから離れ、帰宅することにした。


「はあ……かっこいい!」


コンビニの前を通りかかり、人気アイドルの妃月聖魔(きげつしょうま)ライブのポスターを見つける。


「フン……」


不機嫌そうに銀髪の少年がこちらを見て去っていく。

ポスターか私を見ていたのだろうが、どうしたんだろう。


「チケット売り切れちゃうよ兄ちゃんはやくー!」

「あーひっぱんなって!」


年の離れた兄弟がコンビニへ駆け込んだ。


「チケット……」


聖魔のソロライブくらいしか無いけど、もしかして再年少ファン?

二人がチケットを店員に頼んでいるのが外から見える。


「よー姉ちゃん可愛いなー」

「おれらとデートしようや」


棒読みの不良二名が私の背後に立つ。


「きゃああああ!」


手を捕まれて恐怖が襲ってくる。


「邪魔だ」


コンビニから出てきた男子が不良を蹴る。


「お姉ちゃん逃げよう!」


少年に手をひかれて走る。


「……お兄さんは?」

「大丈夫、強いから!」


さっきの場所に戻ると倒れた不良が転がっている。


「さっきはありがとうございました」

「いや、別に……」


彼はそっけなく去っていく。少年は私に手をふって去っていった。


家の前までたどり着き、何やらパラパラと砂のこぼれるような音がした。


◆振り向くと背後に光に包まれた道が見える。


〔家に入る〕―現代エンド


〔見つめる〕―共通2へ

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