プロローグ2
彼はまだ落ち続けていた。
だが、彼は落ちる時に顎を地面に強打して気を失っていてこの状況に気付いてはいない。
はじめは暗闇を落ちていた彼は、何時の間にか空の中を落ちていた。
眼下には大陸と海が見えているが、地球のどの大陸とも違う形をしていた。
そのまま落ちること数分、眼下には19世紀ヨーロッパのような街並みが見えている。
無論、彼はまだ気を失っていてそれを知らないが。
そして、彼が地面に激突する直前。
またも地面に亀裂が生じまたそこの見えない裂け目へとまるで狙っていたかのように落ちて行った。
居合わせたシルクハットの男や貴婦人は、ただ地面が蠢いて裂け目が消えて行くのを呆然と見守るだけだったという。
そして、二度目の裂け目でも、気がつけば空を落ちていた。
先ほどと違うのは、下に見える街が最初の時よりも前時代的な事と、落ちてる本人が目を覚ましたことである。
「ん?・・・うあぁぁ!ust4@6tiz£~%!!!!!」
落下するスピードでは風圧というのは洒落にならなくて、彼が叫ぼうとした途端、口の中に風が入り込んできた。
地面まであと100メートルというところまで落ちると、突然風が吹き上げてきて、彼はフワリと地面に落下した。
「・・・何だったんだ今の・・・?」彼は意味が分からないながらも情報を整理しようとしていた。
「現在地、不明。 時刻、朝? 俺の名前は、神波 大和。 ・・・!? ケータイが見当たらない・・・」
彼、カンナミ ヤマトはケータイが無いと分けると今にも泣きそうな顔になっていた。
どうやら、ケータイ依存だったようである。
(どうしよう・・・とりあえず森から出ないと・・・)
ヤマトは自分が置かれた状況に混乱しつつも歩き出した。
森を抜けるためと言いつつ森の中心に向かいながら。