第一章:アラート(地球外接触の公式発表)
3Iアトラスのニュースを見ながら、色々な想像が膨らみました。
あれが宇宙船だとして、宇宙船だとしたら、日本はどうなるんだろう・・・
生まれて初めて小説まがいの文章を書いてしまいました。
面白くないかもしれませんが、誰かの暇つぶしにでもなれば幸いです。
2028年6月8日、午前3時12分。
NHK総合テレビは、通常の深夜放送を突然中断した。
「緊急ニュース」の文字とともに、女性アナウンサーが画面に登場した。
「……繰り返します。国連は、日本時間の本日午前2時45分、地球外知的生命体との接触が確認されたと発表しました。これは、2027年12月に発生した謎の軌道変化物体について、複数の国の科学機関が一致して“人工的起源”と認定した結果によるものです。……」
沈黙が訪れた。
テレビの中でも、部屋の中でも、街の上空でも。
――地球外生命体とのコンタクト。
それはフィクションであり続けるはずの単語だった。
「宇宙人」という単語はいかにも子供っぽい言葉だったし、「地球外文明」は理科の教科書の余白に描かれる夢だった。
それが、突如として現実となった。
SNSは爆発した。
トレンド1位は「#地球外生命」。
X(旧Twitter)は日本語、英語、中国語、ロシア語の断片的な恐怖と興奮で埋め尽くされ、投稿は毎秒10万件を超えた。
都内の一部のコンビニでは深夜にもかかわらず、カップラーメンと電池、飲料水が売り切れた。
渋谷では10人程度の若者が、スピーカーを持って「黙示録は近い」と叫んでいた。
だがそれは、暴動でも革命でもなかった。
……日本は、静かだった。
翌朝、電車は時間通りに動き、通勤サラリーマンはいつも通り電車に乗り込んだ。
子どもたちは学校に行き、テレビは芸能人の離婚ニュースを再び報じ始めた。
一夜明けた6月9日、午前8時。
仙台市内のとある公立高校、倫理の授業。
「さて、今日は予定を変更して、“人間とは何か”について考えます」
そう言って板書を始めた教師――山岸良平は、声にわずかな震えを含ませていた。
生徒たちはノートを開き、静かにペンを走らせた。
宇宙人とのコンタクトの話題に触れる者はいない。
だが、目の奥にある、言葉にならないざわつきが、教室の空気を少しだけ重くしていた。
「みなさん、今朝のニュースは見ましたか?」
沈黙。
教師は黒板にひとつの問いを書いた。
[人類は、自分の位置をどう考え直すべきか?]
それは、問いかけであり、警告だった。
だがこの国では、問いが多すぎると、やがて誰も答えなくなる。




