そんな好き(s)
ケーキ屋さんの前を
通りかかるたび
ガラス越しの夢に
つい足を止めてる
子供の頃からずっと
変わらないままで
あれもこれもって
欲しくなっていた
そんなに長く
見つめてるもの
他にあったかな
誰かを好きに
なる時も おんなじ様に
してたかな
恥ずかしいようで
それでも愛しくて
好きになった時は
ただ見つめてばかり
今年も秋になって
やっぱり歳はとって
ショーケースに映る
顔は白髪の下
ガラス越しの夢は
やっぱり苺にしよう
好きなものってのは
たぶん変わらない よ
そんなに深く
考えたことなんて
無いけれど
誰かの笑顔
浮かんだらいいな
これからも
情けないようで
それでも誇らしい
子供のままの気持ち
大切にしたい
ケーキ屋さんの前で
今日も立ち止まる
ちょっとだけでもいい
覗いてみたくなる
気づかれないように
ても隠しきれずに
ガラス越しの夢が
ほら目に映ってる
膝に手をあて
どれにしようか
いつも迷っている
子供の頃と
同じ顔したい
いくつになったって
変わらないようで
変わってゆく日々に
ちゃんと連れて行こう
そんな好きの気持ち