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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

暗殺者ピンクブロンドの最期の仕事

作者: 山田 勝

悲劇です。苦手な方はブラウザバックをお願いします。

 私は暗殺者、ピンクブロンド、名は忘れた。


「キャア~、ダメですよ」

「いいだろう。リディア」


 今はリディアと言う名だ。


 どんな屈強な男でも閨では裸になる。


 グサッ!


「ギャアアアーーーーー」


 首筋、急所を刺した。

 刺したら、手首を90度ほど回すと完璧だ。

 これだけだ。簡単な仕事だ。


「ピンクブロンドよ。後は任せて帰れ」

「はい、マスター」



 私は宰相に拾われた。

 母はこの男の妾だった。


 金をもらい。住処に帰る。

 この男、金払いだけは良い。

 人を殺すと着替えたくなる。


 ドレスの商会に赴く。



「リディア様、いつも有難うございます」

「棚の~、ここからここまでのドレスを下さい」

「はい、すぐさまお針子に命じます」


 世の中、金だ!

 金があればお母様も助かった。

 面倒な事は金でたいてい片がつく。


 串焼き屋だ。昔はこれを食べたくて盗みを働いて、ボコボコにされた事がある。

 でも、今は店ごと買い占める事が出来る。


「おじさん。串焼き100本下さいな」

「はあ?お嬢様が食べるのですか?」

「ううん。このストリートの子にあげて」

「毎度!」



「ア~ハハハハハ、金があれば何でも出来る!!」



 いつも私を虐めていた子をボコる。

 チンピラに金をあげれば簡単だ。



「ヒィ、マリア、許してくれ!ウワー!」

「へへへへ、頼まれたのでな。おりゃ!」


 マリアって名だったか。ありきたり過ぎて忘れたわ。

 こいつはいつも貧乏と馬鹿にしていた近所のガキだ。


 次は隣のババだ。


「ヒィ、マリアちゃん」

「ババ、この家を買い取ったからすぐに出て行け!お兄さん達お願いだよ」


「はい、おら、出て行けババ!」

「新しい家主は貸さないってよ」

「ヒィ!」


 このババもお母様の噂話を流した奴だ。



 そろそろ時間か。

 あの男から連絡が来た。


「リディアよ・・・次のターゲットは王太子だ」

「へ?」


 さすがに驚いた。


「とても悪い奴だ。庶民を虐める法律を作っている」

「分かった。どうやって潜入する?」

「貴族学園にいけ。男爵令嬢の地位を用意する」



 ・・・・・・



 学園か、私、頭空っぽだ。

 どうする。情報だと王太子は寮に住んでいる。

 特徴だとあれが王太子ヘンドリックだ。


「キャアア」


 わざと殿下の前で転び。プルプル震えてキョロキョロ見る。


「君、大丈夫か?」

「実は令嬢たちに虐められて」

「分かった。もう、学園は閉る。私の・・・寮に行こう」

「はい!」



 寮に付いていく。

 男は皆同じ。

 しかし、無防備だな。

 それに、ここが王族の寮か?


 やけにボロい。


「爺、エリザベスを呼んでくれ」

「はい」


「まあ、転校生のリディア様ね」


 こいつが婚約者か?悪女と聞いたが。



「お薬を塗りますから、殿下は外に出て下さいませ」

「もちろんだ」



「まあ、擦り傷ですわね。傷が残ったら大変ですわ。ヒール!」


 ボア~


 ヒールをかけてもらったわ。

 しかし・・・・弱い。



「フフフフ、ごめんなさいね。私、聖女だけど力が弱くて、本当はもっと大勢の方々を治したいのに、擦り傷や軽い感冒しか治せないのよ」


 待て、公爵令嬢のエリザベスはわざと治療しないとか聞いたぞ。

 それでお母様は亡くなった・・・




「それでもね。ヘンドリックは私との婚約を解消しないのよ・・・終わったわ。もうすぐお夕食ね。食べていきなさい」



 それから、夕食をごちそうになった。


 王族なのに、肉がない。


「さあ、リディア嬢、申し訳ないが、王家は質素倹約を旨としている」


「「「天におわします女神様、今日の糧を感謝します」」」



 暗殺は観察が大事だ。ヘンドリックの服の肘は補修されている。

 エリザベスのドレスは私が行く店よりもランクは下だ。


 食べ終わったら、


 ヘンドリックとエリザベスに手を振られて送られた。


「学園で困った事があったら遠慮無く相談するのだぞ」

「ええ、爺、リディア様を女子寮の入り口まで気をつけて送って下さいね」


「もちろんでございます」



 老侍従に聞いた。


「あの、王家にしては・・質素ですね」

「グスン、宰相の権勢留まる事を知らず。王家ですら毎日の食に事欠くありさまです」


 女子寮についた。


 王家の寮よりも立派だ。


「では、リディア様、今日は有難うございました」



 令嬢たちに王家の事を聞く。


「まあ、あまり触れない方が良いわ」

「そうよ。王家での祝祭で貴族が6人しか来なかったのよ」

「王領も小さいし」

「宰相閣下の祝祭は主要貴族36家と寄子108家」

「宰相閣下もわざと王家の祝祭に合わせて挙行しているのよ・・・」

「風前の灯火の王家だわ。有名よ」


「そう・・・宰相家ってどんな感じかしら」


「まあ、貴女、そんなことも知らないの?」

「宰相閣下のワンマンよ。子息様は鐘をつくことしか出来ない。娘はドレスの話しか出来ないと有名よ」


 私の腹違いの兄姉か。

 鐘をつく。宰相家の時刻を知らせる仕事か。

 つまり、超無能・・・



 お母様・・・・



 ☆回想


『ゴホゴホゴホ、王家の炊き出しがあるから、お前は食べて来なさい』

『お母様!』


 ・・・・・・



 そう言えば、エリザベスを貧民街で見かけた事がある。


『ごめんなさい。これしかないの』


 そういって、パンとスープをもらった。



 私はあの男に会いに行く。

 この国の宰相だ。



「父上、申し訳ございません。王太子殿下は私を閨に誘いませんでした」


「ほお、噂通り堅物だな。まあ、良い。どうだ。学園生活は?」


「はい、中々、楽しいですわ」


「そうだ。お前はこのまま学園にいなさい。おって命令を出す」


「では、王太子殿下暗殺は?」


「荒っぽいが、暗殺ギルドに野盗になりすませて襲わせる事にした」


「そうですか・・・その暗殺ギルドとの連絡方法を教えて下さい?私も暗殺のスキルをもっと習いたいです」


「うむ。当主の私だけが連絡方法を知っているのだ。

 どうした。今日はやけに話すではないか?

 実は、お前の母には悪い事をしたと思っている。息子と娘は無能だ。お前を嫡子として認知しようと思う。頑張れば総領娘にもなれ・・・・【リディア、何をする!】」



 ズボ!ズボ!


 話している最中に宰相の腹をさした。


「何故だ。金を沢山・・・与えただろう・・・総領娘にもしてやれる・・・」


 ドタン!



「父を殺すは親不孝、しかし、殿下の暗殺を見逃すのは不忠、私の居場所はどこにありましょうか?」


 と習ったばかりの古典風に吟じてみた。


「フッ」


 ズボ!


 微笑みながらリディアことマリアは自分の心臓を刺した。


「グハ、90度・・・回す・・・グハ・・・ヘンドリック様・・」


 ドタン!



【何事か!】


 騒ぎを聞きつけ使用人たちが入る。


 そこには、息絶えた二人がいた。


 マリアは宰相と対面していたにしては不自然な方向を向いていた。

 その先は王太子の寮の方向であったとは誰も思いも付かなかった。







私は暗殺者、ピンクブロンド、名は忘れた。


「キャア~、ダメですよ」

「いいだろう。リディア」


今はリディアと言う名だ。


どんな屈強な男でも閨では裸になる。


グサッ!


「ギャアアアーーーーー」


首筋、急所を人差しだ。

刺したら、手首を90度ほど回すと完璧だ。



「ピンクブロンドよ。後は任せて帰れ」

「はい、マスター」



私は宰相に拾われた。

母はこの男の妾だった。


金をもらい。住処に帰る。

この男、金払いだけは良い。

人を殺すと着替えたくなる。


ドレスの商会に赴く。



「リディア様、いつも有難うございます」

「棚の~、ここからここまでのドレスを下さい」

「はい、すぐさまお針子に命じます」


世の中、金だ!

金があればお母様も助かった。

面倒な事は金でたいてい片がつく。


串焼き屋だ。昔はこれを食べたくて盗みを働いて、ボコボコにされた事がある。

でも、今は店ごと買い占める事が出来る。


「おじさん。串焼き100本下さいな」

「はあ?お嬢様が食べるのですか?」

「ううん。このストリートの子にあげて」

「毎度!」



「ア~ハハハハハ、金があれば何でも出来る!!」



いつも私を虐めていた子をボコる。

チンピラに金をあげれば簡単だ。



「ヒィ、マリア、許してくれ!ウワー!」

「へへへへ、頼まれたのでな。おりゃ!」


マリアって名だったか。ありきたり過ぎて忘れたわ。

こいつはいつも貧乏と馬鹿にしていた近所のガキだ。


次は隣のババだ。


「ヒィ、マリアちゃん」

「ババ、この家を買い取ったからすぐに出て行け!お兄さん達お願いだよ」


「はい、おら、出て行けババ!」

「新しい家主は貸さないってよ」

「ヒィ!」


このババもお母様の噂話を流した奴だ。



そろそろ時間か。

あの男から連絡が来た。


「リディアよ・・・次のターゲットは王太子だ」

「へ?」


さすがに驚いた。


「とても悪い奴だ。庶民を虐める法律を作っている」

「分かった。どうやって潜入する?」

「貴族学園にいけ。男爵令嬢の地位を用意する」



・・・・・・



学園か、私、頭空っぽだ。

どうする。情報だと王太子は寮に住んでいる。

特徴だとあれが王太子ヘンドリックだ。


「キャアア」


わざと殿下の前で転び。プルプル震えてキョロキョロ見る。


「君、大丈夫か?」

「実は令嬢たちに虐められて」

「分かった。もう、学園は閉る。私の・・・寮に行こう」

「はい!」



寮に付いていく。

男は皆同じ。

しかし、無防備だな。

それに、ここが王族の寮か?


やけにボロい。


「爺、エリザベスを呼んでくれ」

「はい」


「まあ、転校生のリディア様ね」


こいつが婚約者か?悪女と聞いたが。



「お薬を塗りますから、殿下は外に出て下さいませ」

「もちろんだ」



「まあ、擦り傷ですわね。傷が残ったら大変ですわ。ヒール!」


ボア~


ヒールをかけてもらったわ。

しかし・・・・弱い。



「フフフフ、ごめんなさいね。私、聖女だけど力が弱くて、本当はもっと大勢の方々を治したいのに、擦り傷や軽い感冒しか治せないのよ」


待て、公爵令嬢のエリザベスはわざと治療しないとか聞いたぞ。

それでお母様は亡くなった・・・




「それでもね。ヘンドリックは私との婚約を解消しないのよ・・・終わったわ。もうすぐお夕食ね。食べていきなさい」



それから、夕食をごちそうになった。


王族なのに、肉がない。


「さあ、リディア嬢、申し訳ないが、王家は質素倹約を旨としている」


「「「天におわします女神様、今日の糧を感謝します」」」



暗殺は観察が大事だ。ヘンドリックの服の肘は補修されている。

エリザベスのドレスは私が行く店よりもランクは下だ。


食べ終わったら、


ヘンドリックとエリザベスに手を振られて送られた。


「学園で困った事があったら遠慮無く相談するのだぞ」

「ええ、爺、リディア様を女子寮の入り口まで気をつけて送って下さいね」


「もちろんでございます」



老侍従に聞いた。


「あの、王家にしては・・質素ですね」

「グスン、宰相の権勢留まる事を知らず。王家ですら毎日の食に事欠くありさまです」


女子寮についた。


王家の寮よりも立派だ。


「では、リディア様、今日は有難うございました」



令嬢たちに王家の事を聞く。


「まあ、あまり触れない方が良いわ」

「そうよ。王家での祝祭で貴族が6人しか来なかったのよ」

「王領も小さいし」

「宰相閣下の祝祭は主要貴族36家と寄子108家」

「宰相閣下もわざと王家の祝祭に合わせて挙行しているのよ・・・」

「風前の灯火の王家だわ。有名よ」


「そう・・・宰相家ってどんな感じかしら」


「まあ、貴女、そんなことも知らないの?」

「宰相閣下のワンマンよ。子息様は鐘をつくことしか出来ない。娘はドレスの話しか出来ないと有名よ」


私の腹違いの兄姉か。

鐘をつく。宰相家の時刻を知らせる仕事か。

つまり、超無能・・・



お母様・・・・



☆回想


『ゴホゴホゴホ、王家の炊き出しがあるから、お前は食べて来なさい』

『お母様!』


・・・・・・



そう言えば、エリザベスを貧民街で見かけた事がある。


『ごめんなさい。これしかないの』


そういって、パンとスープをもらった。



私はあの男に会いに行く。

この国の宰相だ。



「父上、申し訳ございません。王太子殿下は私を閨に誘いませんでした」


「ほお、噂通り堅物だな。まあ、良い。どうだ。学園生活は?」


「はい、中々、楽しいですわ」


「そうだ。お前はこのまま学園にいなさい。おって命令を出す」


「では、王太子殿下暗殺は?」


「荒っぽいが、暗殺ギルドに野盗になりすませて襲わせる事にした」


「そうですか・・・その暗殺ギルドとの連絡方法を教えて下さい?私も暗殺のスキルをもっと習いたいです」


「うむ。当主の私だけが連絡方法を知っているのだ。

どうした。今日はやけに話すではないか?

実は、お前の母には悪い事をしたと思っている。息子と娘は無能だ。お前を嫡子として認知しようと思う。頑張れば総領娘にもなれ・・・・【リディア、何をする!】」



ズボ!ズボ!


話している最中に宰相の腹をさした。


「何故だ。金を沢山・・・与えただろう・・・総領娘にもしてやれる・・・」


ドタン!



「父を殺すは親不孝、しかし、殿下の暗殺を見逃すのは不忠、私の居場所はどこにありましょうか?」


と習ったばかりの古典風に吟じてみた。


「フッ」


ズボ!


微笑みながらリディアことマリアは自分の心臓を刺した。


「グハ、90度・・・回す・・・グハ・・・ヘンドリック様・・」


ドタン!



【何事か!】


騒ぎを聞きつけ使用人たちが入る。


そこには、息絶えた二人がいた。


マリアは宰相と対面していたにしては不自然な方向を向いていた。

その先は王太子の寮の方向であったとは誰も思いも付かなかった。


最後までお読み頂き有難うございました。





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