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天才(馬鹿)とサンタは紙一重  作者: 紫雲
発見器と出会い編
2/9

硫酸と水酸化ナトリウムと馬鹿は使いよう

そういえば、アナザー作品がありました!

「夜の魔王~ワガソシツニオボレヨ~」

風俗異能バトルものです!

「けまり無双」

文字通りです!

どっちも深夜テンションで書いたものなのでネタ小説ではありますが気になったら是非見てください

イギリスの町――といっても交通の便が悪い辺境の田舎である。その寂れた通りを歩きながら、吾析わせきは自分が持ってきた荷物を一つひとつ確認し、ため息をついた。


「未来で手に入れた携帯式タイムマシンに、食べ物、塩酸、水酸化ナトリウム、ベンゼン溶液、硫酸、イオン交換樹脂……。なんでこんなものを持ってきたんだ?」


過去の自分を問い詰めたい。なぜこんな劇物ばかり揃えておきながら、水がないのか……。

もっとも最悪の場合、イオン交換樹脂に塩酸と水酸化ナトリウムを通して水を作れば乗り切れなくもないが。


「だが、俺は天才だ。こんな意味不明な持ち物も、きっと役立つ時が来るはず……!」


そう自分を奮い立たせ、とりあえず宿泊施設へ向かおうと足を進めたその時、道ばたに倒れている金髪の少女を見つけた。


「うっ……」


どうやら高熱を出しているらしい。衣服もボロボロで、かなり厳しい生活環境にあるようだ。

困ったことに、このあたりには病院がない。最寄りの医療施設まで移動するだけで丸一日はかかりそうな場所だ。今の彼女の容体では、一日も放っておけない。せめて解熱剤だけでもあれば……。


「あ……あった……。まさか、本当に役に立つとは!」


吾析はベンゼン溶液と硫酸、水酸化ナトリウム、そして必要な道具一式を取り出す。目指すはサリチル酸だ。

本来であれば、副作用を弱めるためにアセチル化、アセチルサリチル酸=アスピリンへの加工を行うのが一般的だが、そんな悠長なことは言っていられない。サリチル酸そのものにも解熱作用があるのだから。


まずはベンゼンを硫酸でスルホン化してベンゼンスルホン酸を作り、さらにアルカリ(NaOH)融解によってナトリウムフェノキシドに変換する。そして、高温高圧下で二酸化炭素を作用させればサリチル酸が得られる。

その工程を頭の中でざっと組み立て、吾析は覚悟を決めた。


「数時間で仕上げてみせる! 俺は天才だからな!」


そう言って吾析は少女を救うため、解熱剤となるサリチル酸の合成に取りかかるのだった。


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