星の流し人
今日も今日とて
仕事は沢山。
今日も流さなくてはならない。
そう思って寝袋から起きる。
みんなのために働かなくては、
そう思ってつば付きのハットを被って
コートを羽織る。
そして寝袋は小さく小さく折り畳んで
腰に巻く。
私の家は漂うホシの欠片
そこには寝袋しか置かない。
だってそこにずっとは
住んではいられないから
ホシの欠片と欠片を
ボードに乗って
良い形のを選び抜く。
ホシはみんなが思うように
ホシ形の形はしていないから
なるべく優しい削れて
丸くなったホシを見つけ出す。
そしたら腰につけたポーチのなかから
折り畳みの網を取り出して
柄をカチャンカチャンと
嵌めていく。
最後に近くのホシから少しの
糸を取り出して網のように巻いていく。
それはさておき
網を作るとホシを捕まえて
そのままホシとホシとの間を抜けるように
近くの惑星まで連れていく。
そしてここからがコツがいるんだ。
朝だと見えないし
夜の暗くなった所から
助走をつけて真っ直ぐに放す。
見えるか見えないか位が肝なんだ。
そしてそれを何回か繰り返す。
間隔を開けて、
どうか見れますようにってさ。
そしてそれが終わったら1日寝て
また起きる。
何でこんなことをするのかって
考えても覚えてはいない。
これが僕の仕事だから、
仕事って誰かのためにするものだから
誰かが喜んでくれることだと
思ったから今日も僕は流すのさ。
だから君たちも僕がここにいるんだって
星を見ながら思ってね。