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裏の気持ちから始まる恋  作者: 雨宮夏姫
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黒川さんとの出会い 後編

 階段を上り屋上についた。


「キィィィーーーー」「バタン!」


 甲高く耳障りな音が響いた。経年劣化ひどいなっ!!


 屋上は案の定誰もいなかった。緑の少し汚れた地面。風がよく通り気持ちいい。ドアから見て前に広い空間があり、景色を見渡せる。住宅街がよく見える。開放感があってとても気持ちい。しかし残念ながら天気はいまにも降りだしそうな雰囲気だ。


「キィー……」


 あれ?今なんかドアの音が、まーあのおんぼろのドアのせいか。


「そういえば名前は何ですか?」


 聞いてみる。そういえばまだ聞いてなかったよね。何て名前なんだろう?おとなしそうな名前なのかなー?


「ひまわりです。黒川ひまわりです!!」


 そう言うと「ぱああああと」ひまわりが咲いたような笑顔を見せてきた。あれ?以外にも明るい子なのかな?よく見ると目はぱちぱちと大きいし、黒髪も首あたりまで伸び艶がありきれいだ。身長は私より小さいものの健康そうな体つきをしていて名前のとおり眩しい。とっても可愛い子だな。


「よろしくお願いいたします。黒川さん」


 一緒に広い屋上にペタンと座りご飯を広げる。私はいつも通りの自分で作ったお弁当。黒川さんはコンビニで買ったパン類だった。


「そのお弁当とてもおいしそうですね。」


「あぁ、ありがとうございます。実は自分で作ってるんですよ。」


 嬉しい。人に褒められるのは妹以来だ。それに妹は最近口もきいてくれないし、、

 とりあえず黒川さんとはもっと仲良くしたいなぁ。


 すると何故か黒川さんは口をとがらせ、すねた表情を見せる。何故だろう?

 私は相手の気に触れないように遠回しに質問する。


「コンビニ弁当は体に良くないんじゃないですか?」


 すると黒川さんはさらに顔を拗ねらせて、


「じゃ、じゃーお弁当作ってくれますか?」


 少し顔を赤くしながら聞いてきた。勇気いるもんね。いきなりそんなこと言うなんて。しかしそうすると私は二人分の弁当を作る必要があるのか。まぁ夏姫以外に接点が取れた人だし頑張るか!!


「いいですよ、頑張ります!!」


「え?本当にいいんですか?!やった……」


 また顔をぱぁぁと光らせた。おどおどしてる子が静かに笑顔になるのってかわいいなぁ、その時だった。


 バタン!


 勢いよくドアが開かれた。


 え?なに?誰?私なんかしたーー??


「ちょっと待つんだー!!」


 そこから出てきたのはなんと夏姫だった。

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