変死体
前回の続き。
日本の防衛省でまたまた極秘の会議が開かれていた。
「あの変死体だが、殺されるまでの詳しい経緯はわかったのか?」
「犯人は店に勤めていた女の子と思われますが、
具体的なところには不明なところが多々あります」
「業者が借り上げたマンションで逢い引きか」
「あの会社は仮想敵国とつながっているな」
「あの店は今どうなってる?」
「事件の前に売却されて、現在はあの会社とは無関係のバーになっています」
「ハニートラップの女たちの消息はわかったのか?」
「空港の出国データには該当者がいません」
「船で密航したのか?」
「その可能性がかなり高いと思われます」
「防衛システムの最新情報は無事か?」
「それですが、限られた人間が毎晩遅くまで働くことが改善されていません」
「研究開発のデータは随時アップデートされているが、
管理職の頭は旧態依然だ」
「夜遅くまで働くのは勤勉」
「最新情報が漏洩したことを前提にせざるをえない」
「わが国のアキレス腱は原発だ」
「完全に守れるのか?」
「率直に言うと不可能です」
「敵のミサイルを撃ち落とすのは無理か?」
「命中率の向上につとめていますが、10%にはほど遠いのが現状です」
一室の夜は更けていった。