〇1話
あたしと剛輝は3ヶ月くらい前に付き合い始めた。
告ったのは剛輝の方から。
付き合う前からあたしらは仲がよかった。
そのときのあたしは、大好きな人に別れを告げられてつらい時期だった。
そんなあたしの相談役だったのが、剛輝。
いっぱいいっぱい話を聞いてくれた。
逆に剛輝の悩みはあたしが聞いてあげた。
いつしか、あたしにとって剛輝はかけがえのない存在にとなっていた。
そして、あたしが前の彼氏と別れて2ヶ月くらいたったあと、あたしは剛輝に告られた。
でもあたしは剛輝のこと、恋愛感情的に好きではなかった。
けど、あたしのことを好きって思ってくれた気持ちが嬉しくて付き合うことにした。
それからというと剛輝は毎日のようにメールをくれた。
何気ない話ばっかりだったけど、その時間がとても楽しくて剛輝はあたしの心の拠り所になった。
クリスマスは一緒にすごしてない。
あたしから誘うなんてできるわけない。
そんな勇気ないもん。
クリスマスの夜。
いつもと同じくらいの時間にいつものようにたわいもないメールをした。
そのとき、あたしはいらついた。
だってクリスマスだよ??
一緒にすごしたいのが彼女だよね。
なのに、クリスマスのクの字もでない。
あたしは、剛輝とのメールを途中でシカトしてしまった。
今では悪かったって思ってる。
次の日、あたしは寝ちゃってメールおちたことにして剛輝に謝った。
剛輝はあたしのことを信じて許してくれた。
数日かしてあたしと剛輝は初めて電話をした。
『もしも―し。』
『誰ですかあ??笑』
『大谷ですッ』
『えぇ??』
『もお!!!』
『ごめん、ごめん。』
01時間くらいどうでもいいけど、楽しい話をした。
でも、途中真剣な空気になった。
『俺なんかと付き合ってていいの??』
『えッ?!なんで??』
『だって、まだ元カレのこと…―』
『引きずってなんかないよ。』
『ほんと―??』
『うん♪』
『もし、俺と付き合いたくなくなったら。』
『何??』
『はっきり俺を振っちゃって。』
『今すぐでも??笑』
『うッ…』
『嘘だよ。』
『びっくりしたッ』
『あはは。ごめんね。』
『俺、信じてるから。』
『…わかったよ。』
『信じてる。』
『うん。』
剛輝の<信じてる>っていう言葉を胸にあたしは剛輝と真剣に付き合おうと決心した。