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095.銃之支配を奪い取れ(11)

 ぜぇぜぇと息を切らしながらも私についてくるルバーは無防備にも仰向けにゴロンと転がっていた。


「だぁ、お宅手加減って知ってるかぁ!? やさしさって知ってるかぁ!?」

「ちっ、また私より先に三階層に来るとは良い度胸してるじゃない」


 思わず舌打ちをしたくなる。いや、既にした。

 NPCは毎回マップ移動時に先に待ち構えて居るアレをされてると、めんどくさくてしょうがない。


「先に行って勝手に死ぬとか許さないよ?」

「バカ言え! お宅が居ればどんなエリアも安全かと勘違いしちまうよ!」

「あら、早速黒ラインが見えるわね?」


 最初から黒か赤の選択。

 勿論、通常ならば赤ラインを選び激戦の後次のエリア、次のエリアへと進んでいくのが普通だ。

 それでも、だ。


「近道なのかしら?」

「はぁ、俺はもうあきらめた。アァ諦めたよ! そっちの道は予想だが一部屋通れば次の階層にいける最短ルートだよ! だがなぁ、あの部屋には居るんだよ」

「ふぅん?」

機構重機兵ロボがな」


 ロボット? 機械人形アンドロイドは十分ロボのカテゴリだと思う私だが、所詮ロボットなら何も問題無いだろう。


「そっ、なら挑みましょう。RTAよっ」

『是、狂人バーサクモード開始』


 左の道へ曲がり、つきあたりにあった扉が開かれると広大な部屋(ボスベヤ)が視界に広がる。


「やべぇ、この部屋こんな広いのか」

「グッ、キタノカ?」


 りきみ過ぎて噛み締められた口から絞り出した声は、あまり好きではない。

 それでも、話しかけずには居られない。


「ジャマ、ハスルナ」

「ああ、もう俺は邪魔はしないよ」


 一緒にこのボス部屋に居る事自体が邪魔なのだが、まぁ特殊ミッションとでも思っていよう。


 銃を握り絞め、待つこと数秒。

 警告音が響き渡ると、巨大なパトランプが点灯して室内は赤い光で満たされた。


 そして、5つの扉が地面からゴゴゴと出現すると、その中から5体の機械機兵アンドロイドが出現する。でもそれだけで終わりじゃなかった。


「来るぞ! 警戒しろよ!」


 5体の間に電撃が走ると、宙に浮かび上がった。

 で、そんな5体が更に地面が左右に裂け、その中から出現した巨大ロボットに搭乗していった。


 機械機兵がロボットに乗るという不思議な光景を見ながら、剥き出しのコクピットで両手を接続していく様子をみて私は。


『アァァ、こういうのは嫌いじゃない! なのに狂人化しているせいで素直に楽しめない! くそ、ルバーの奴、機構重機兵ロボなんて紛らわしい言い方せずに巨大ロボと言えばいいものを!』


「ユルサナイ!」

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