091.銃之支配を奪い取れ(7)
腹を満たし、服装も勝負服へと着替えた。
後は楽曲を流せば、私のテンションは絶頂に達する。
『待機、菜茶、いつでもいけるぞ』
ああ、とデバイスを身にまとい頷く。
『さぁ始めよう、完全攻略開始」
『了解』
私の意識は闇に溶け、瞳を開くとベッドに寝かされていた。
律義にも地面で転がっているのは髪型からしてルバーに間違いないだろう。
「暗闇はやはり天敵だな、ハウル」
『設定、光度明暗調整……完了』
暗闇に同化していたルバーの姿が大分見易くなる。
「さてっと」
思いやりの一切ない、踵をルバーの腹の上に落とす、と同時にハウルが楽曲を自動選択して流し出す。
『再生、楽曲STORYWRITER』
楽曲の開始時の不気味なギター音が響き、暗闇(といっても丸見えだが)の中で踵を落されたルバーが悲鳴をあげた。
もぞもぞと、なんだい嬢ちゃんと寝言のように起き上がったルバーを引っ張り上げ、胸倉をつかんで見せた。
「お、おいっ!? こんな夜中に起きてどうしたんだよ」
戸惑っているところ悪いが、私は今すぐ行動を起こそうと思うのだよ。
瞬断の決意。
「これからダンジョンを攻略する。王子とやらを迎えに行くぞ」
楽曲も一気にヒートアップし、テンションの上昇はとどまる事を知らない。
「は、はぁ!?」
有無を言わさず、道案内を要望する私にルバーも攻略に関しては乗り気であるようで素直に従ってくれた。
「っまぁ、お宅なら本当に攻略出来ちまいそうだし、わかった。すぐ用意するから少し時間をくれ」
「3秒で用意しな!」
「アフロの手入れも出来ねぇよ!」




