055.ラヴリィイイィートダンジョン攻略(1)
「さて、ブリーフィングを行いましょう」
きっかり24時間が経過した途端、何の前触れもなくマルムは目の前から消滅してしまった。ただし、この光の粒となり消え去ったのは死亡判定のソレではなく、重封された為である。
タタンの予想では、今回の封印度合いは2階層相当だということらしい。
1階層のみのダンジョンに封印されるケースは極小祈願の場合。
2階層から8階層のダンジョンに封印されるケースは小祈願から大祈願までの場合。
9階層から10階層になる場合は、奇跡を願った場合。
もう少しわかりやすく言えば、一人の人間が力を得て何かを行っても、世界の法則に歪みを残さなければ極小祈願。
空を飛びたいとか、超能力を使いたいとか。
それらは極めて小さな願い事に過ぎない。
では、どのようなケースが絶対的にダメなのか?
時間の干渉や、存在の消滅、種の存続に関わる祈願などが該当する。
さて、ではマルムの祈りはどうだったのか?
マルムの祈りは共に居たい、そして食べたいという願いの二つの複合化。
それぞれの想いは極小として扱われ、二つあるので2階層という判断らしい。
うん、重封の基準はさっぱりわからん。
「マルムの封印されたダンジョンは、2階層と判断されています。そしてダンジョンの種類は」
何故か溜めてから、顔を赤くしてララはダンジョン名を告げた。
「ら、ラヴリィイイィートダンジョン、です。私一人でも十分に対応出来ると思われますが、イイ、一緒にいきましょう」
そう、俺はマルムを迎えに行く責任がある。
それに今回はいわゆる『ヘルダンジョン』ではないのだ。ならば2階層相当なら問題なく攻略出来るであろう。
それに。
「ああ、装備もそろえたしな」
タタンが準備した装備の数々に迷いつつも、俺が最高だと思える装備を選別した。
結果はこうだ。




