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048.スペースユニバース(3)

「あっ、起きた」


 羞恥心がないのか、特に自分の姿を気にすることなくララは続けた。


「死んだみたいに寝ちゃって、やっぱりイイも相当疲れてたのね。お風呂、入る?」

「ん、いや俺は」


 念のため自身の体を嗅いでみるも、特に異臭は無い。

 キャラクターが臭うとか、そんな仕様はノーサンキューだ。


「バッチィのはダメよ? トイレで手を洗わないで出てくるレベルにダメ!」

「漏らしながら食べてた人がイイマスカガガガガ、ゴベンバサイ」

「ダンジョン内は別でしょ!? もぅ、デリカシーがない子ね全く。そうだ、念のため、そう念のためだけどイイっていくつなの?」

「年齢を聞いてきますか」

「イイじゃん。この後みっちり情報のすりあわせするんだしね?」

「あー、そう、だな」


 まさか年齢認証をするイベント? 20歳以上です、とか言うとアレなイベントが……。


「……才だよ」

「若いわね、となると本当に最近ダンジョンに入って状態異常にかかったクチなのね。了解」

「そういうララは、いくつ、なんですか」


 何故か敬語になってしまうのは、しっかり者のお姉さんに見えるからであるわけで。


「私? 私は17だよ。イイよりお姉さんだね? ふふ、何なら子供でも作る? 村の男はロクなのが生き残ってないし、同じ挑戦者だから私としては全然オッケーよ」


 バサッ、とバスタオルをはだけさせたララの体をガン見しつつ、興奮すれど興奮出来ずにいた。


「……やっぱダメかー。いや、別にイイがアレだって言ってるわけじゃないわよ? ただ、時間停止の影響受けているとそういうのは無理よね。動けているだけでも不思議なくらいだし」


 何だ。色々と出来ない事を知りながらからかわれた?


「いつまでも裸さらしてないで、服でも来てください」

「もぅ、ノリが悪いなー。ちょっと待ってて……おーい、着替え中くらいは後ろ向くくらいの配慮はみせなさい」


 何だよ全く。変なところで羞恥心を持って……NPCとはまるで思えない。


「着替えたわよーっておい! 何でイイが脱いでるわけさ」

「いや、部屋の中はこの姿がデフォだし?」


 キャラクターが装備していたアバターパーツを全て外すと、いつもの慣れ親しんだ感覚にやけに落ち着きを覚える。


「んー、まぁ良いか……そこまで脱ぐならお風呂さきにすましちゃいなさい」

「……まぁ、それもそうか」


 風呂はユニットバス形式で、いたってシンプルな慣れ親しんだような感じだった。


 で、ララと同じ匂いを漂わせながら情報の擦り合わせが始まった。

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