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004.レディ(3)

 扉を潜ると同時に周囲の風景が変わる。

 ジメリとした薄暗闇の中、すぐにこの場所が地下空洞だという感覚に包まれる。


 アップデート後なので、少しは違う風景を期待していたがいつも通りである。


 ステータスについても、初期値は全て10となっていて、これも変わらない。


「ん、早速か」


 グニョグニョと鈍い動きで近づいてくる青い塊。モンスター定番のスライムのお出ましである。

 防御力も10あるが、攻撃判定でHITを受けると最低1は必ずダメージが入る仕様なので、無駄に接触するわけにはいかない。


 攻撃力は防御力から純粋に減算された値で体力値が削られるので、全ての値が1の青スライムは攻撃をHITさせれば即倒せる相手ともいえる。


 そしてここからがローグライク系ゲームの面白いところで、モンスターを倒せば当然ドロップアイテムを落としてくれる。それがこんな初期モンスターだろうが、低確率で珍しいアイテムや信じられないような強力な武器を落とすこともある。


 そんな事情もあり、何度ダンジョンで倒され貴重なアイテムを落としてもつい何度も未知なるアイテム探して挑戦してしまう訳だ。


「てりゃぁ」


 蹴りという概念が無い為、タタッと近づくと拳を打ち込むと青スライムが光の粒となって消えていった。


 同時に、カランッと何かをドロップした音が聞こえる。


「……ハズレ」


 手に若干の重量感を覚えながらドロップ品を拾うと、それをマジマジ見つめながら手に握りしめた。手に持ったアイテムを一秒以上眺めるとアイテムに丸いターゲットウィンドが開き、そこから線が伸びアイテムの説明が表示される。


『ドライバー:ねじを回す為の工具

 攻撃力が1増加する』


 ネジを絞めるアレである。無いよりマシ、なのでしっかり装備しながら移動を再開する。


 今回のダンジョンは10m幅くらいの大きな道に、やや暗いが明かりは有り。壁や地面は土だろうか、触って確認してみるとひんやりしたしっかり土である事がわかった。


 これが重要で、ものすごく脆い壁や地面などがあると、落とし穴として機能して落下一発アウトだったり、脆い壁からモンスターが飛び出てきて対応が遅れて即死デスポーンさせられたり。


 一階層の突破率は他のプレイヤーも大分増えてきている難易度だが、二階層から一気に難易度が跳ね上がるため、しっかりここで稼がなければいけない。


「よしっ」


 気合を入れて、アップデート後のプレイは朝5時まで永遠と一階層の探索をつづけた俺であった。


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