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198.真ラストダンジョン(9)

 私は敵陣中央で弧を描くように移動をしつつ回し蹴りやスライディング等で巨大蟻の足元を次々と狙っていった。丁度五十匹目の行動阻害をしたところで、先頭の三人と合流した。


「私、18匹!」

「ワタシ、20匹ヨ!」

「10匹……」


 それぞれの撃破数を自己申告しているので、私も伝えておくとしよう。


「ゼロ匹」


 妨害メインで動いたのだから、まだ撃破数がゼロなのはしょうがないわよね? 三人はこの軍団の半分をしっかりと殲滅して進んでくれたので、残りは行動が鈍っている二十三匹と、未だ健在の二十九匹。


 今の殲滅速度を考えると、これくらいでちょうど良いだろう。

 そう判断すると、私は言葉をつづけた。


「だけど、ハンデはこれくらいで充分よね? 私もイク!」


 集中力を高める。

 一秒がコンマ一秒のレベルで測れる程に高まると同時に、一歩を踏み出す。

 目の前に迫ろうとしていた巨大蟻へ僅か1フレームで間合いを詰めると、巨大蟻の顎目掛けてサマーソルトキックをヒットさせる。


 次フレームには、巨大蟻が頭部を大きく跳ね上げその巨体が宙を浮く。

 既に浮き上がった時には私の体は地面へと着地しており、続けさまに連続のサマーソルトをお見舞いする。


「シッ!」


 3フレームでの簡単なお仕事である。

 連続の必殺の蹴りに、巨大蟻は耐えれずその姿を光の粒子として消し去っていた。


「一匹!」


 続けて3フレームで近づいた次の目標に、回転蹴りを1フレーム間に7ヒットさせると、巨体を大きく横に崩しその動きを止めていた。


「二匹!」


「め、滅茶苦茶ネ……」

「これがマイティの力……」

「は、速すぎる」


 最初から高速撃破が出来たのではないかと問われれば、否である。


 要は攻略に必要な情報は前提条件として、殲滅戦プレイには『やる気』が一番重要な要素ファクターなのだから。


 クソゲーは嫌いだし、作業ゲーも好まない。

 でも、集中して競う場面ってのはこう、燃えるじゃない?


 マイティと呼ばれるのは、私の持つ技術はさながらそれを永延と維持出来る『競う環境』に適合してしまったが故にだ。


 まぁ何かな、つまり私の性分はどんな勝負事も負けない意地を張り続けれるって訳で。


「はい終了、32匹っと」

「くぅ、26匹だわ……エクセレント」

「30匹ネ」

「12匹……アシスト沢山したし、私沢山手伝ったし」


 ジェは動きが鈍い分、行動阻害をメインに動き、ジャンの撃ち漏らしを狩るコンビネーションだったが故に撃破数が少ない訳ね。

 しかし、カタリナの戦闘センスはなかなかのものである。

 レースゲーム界意外でも、十分にやっていけそうなものだけど。


 ちらり、とカタリナを見るもレース馬鹿には別ジャンルのゲームは眼中にないだろう。

 

 ドロップ品を集めながら、次のわなについて再確認をしていた最中だった。


「これ、何ネ?」


 ジャンが道中に出現したアイテムを指さしていた。

 先ほどは確かに存在しなかったソレの存在感は異常にも思えた。


「ワォ、BBQセットじゃん」


 カタリナが攻略情報にない罠かもしれないそれに向かい近づいていくのだった。


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