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197.真ラストダンジョン(8)

 先行したカタリナが先頭の蟻と戦闘に入る。

 大きく跳ねると、大きく振り下ろしたホイールスピナーが蟻の頭上を叩き潰していた。


 ズンッ、と重い音と共に巨大蟻の頭が大地に埋もれる勢いで下へ落ちた。

 が、倒しきるまでに至らず。

 顎からはワシャワシャと音を立てながら幾度となく牙が交差を重ねる音が響き、準備は整ったとばかりにカタリナの着地を狙いその鋭い牙を胴目掛けて襲い掛かった。


 ザンッ、ザシュッ、と二つの音がすると同時にカタリナの胴を狙った牙は大きく狙いが反れる。


「大技は控えるネ!」

「足、脆い」


 両サイドからそれぞれ鉄扇と大剣ドラゴンスレイヤーで巨大蟻の足を薙ぎ払い、結果大きく体勢を崩した巨大蟻は前のめりになっていた。


 そこへカタリナはすかさずホイールスピナーで再び頭部を叩きつけ、今度こそ動きを止める巨大蟻。


「体力が削り切れない!?」


 カタリナの焦りの声が響くと同時に、活動を停止した巨大蟻をよじ登り次の巨大蟻が襲い掛かってくる。

 更に両サイドからも迫ってきた巨大蟻が迫ってくるため、それぞれ各個撃破が要求される場面へと切り替わってくる。


 大きく振りかぶった攻撃をした反動で、すぐに動けそうにないカタリナに迫る巨大蟻が牙をギィギィギィと音を立てながら交差させると、真上から覆いかぶる勢いで飛び掛かってきた。


「シッ!」


 カタリナを飛び越え、マントをはためかせながら大きく足を捻りだす。

 バサァッ、と一瞬下着が露出しそうになるも、私が放った空中回蹴(ソバット)の速度に記録ログも追いつかないだろう。


 ヌチャリ、と嫌な感触と共にレッグカッターは巨大蟻の頭部の一部を抉り、勢い止まらぬまま私は巨大蟻の背へと着地してみせる。


楽曲ウェーブ、開始!」


 巨大蟻の特性は理解した。


 頭部にある牙での攻撃がメインで、仲間の死骸に影響を受けない行動力。

 脚は脆く、行動力を大きく阻害出来る。

 そして、想像以上の体力値。


 敵は体力が0になれば消滅してドロップ品を落とすのが基本なのに、動かなくなるもののその巨体が消えないとなれば、体力を削り切れていないという事だ。


 ホイールスピナーの高い攻撃力の本気の二撃に加え、両足に与えた鉄扇の攻撃、ドラゴンスレイヤーの斬撃とその全てを受けてもなお、消滅しないのだ。

 動かなくなるまで攻撃を加えたら、次へ移動していくの必要がある。


 なお、その際に障害物となる為倒せば倒すほどに地形は悪化していく。


 つまるところ、巨大蟻を倒す位置を考えながら足を切り払っていく戦略で落ち着く訳で。


各個撃破あらかせぎの始まりネ!」

各個撃破ルーティン開始」

各個撃破タイムアタック開始!」


 中断していたグルメレースの楽曲が、最初から鳴り響く。

 正面から次々に戦闘を開始していく三人とは別に、私は巨大蟻の足を足払いで小ダメージを与えつつ奥へ、奥へと移動していく。

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