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189.二面攻略(3)

そして男性陣はというと。


「総隊長、防衛線は一体何から守るのでしょうか」


 TODONATION(トウドウネイション)箱点はこてんが集合一番、問いかける。


「良い質問だ。実は俺にも理解できていない」

「ちょ、理解出来ていないって」


 同じくTODONATION(トウドウネイション)単鳥たんどりぃが食いつこうとする。

 彼もまた、二年間あの世界で苦行を積んだ一人である。

 出来る事ならば自らの手で世界を救いたいと願う一方、マイティの居る女性陣の攻略で間違いないとも理解しているため、こちらの防衛線で納得していたのだ。それが、総隊長であろうLESSが内容を理解していないというのだから、若い二人が食い気味になるのも理解出来ない訳ではない。


「落ち着け。ああ、僕はSayYeah!(セイヤァ)Noah(ノア)って言います。発言しても良いですか」

「うむ。発言したまえ」

「ありがとう総隊長。まず防衛線の件だけど、攻略情報は全てダンジョン攻略のための物しか得られていないんだ、不思議と突然と攻略情報が手に入っていたんだ、活用するのは当然だね。じゃあ防衛側がする事は何か? 還る場所を守るのさ」

「だから! どうやって!? 何を守れば良いんだよ!?」

「落ち着けって、君は宇宙戦艦ごと失ったクチだね? ならば、宇宙戦艦を守れば良い。そこには知り合った人物や、言葉を交わした人々が居ただろう?」

「そ、それはっ」

「女性陣もきっと同じだよ。宇宙戦艦の中に少なからず友好関係を結んだ人物が居るはずなんだよ。僕はこの二年間、妻と離れ離れになったけど宇宙船は無事だったからね、その中で生き続けた口だよ。突然宇宙船をジャックしたんだ、色んな人間関係に苦労はしたけど、あの場所には僕を支えてくれた女性シャーリィが居る。きっと今では僕の事を覚えてないだろうし、存在すら宇宙船のコントロールを奪った誘拐犯程度としか認識してないだろうね? それでも、僕はあの宇宙船を守りたい」


 ノアは決して浮気をしたという訳ではない。

 一人の女性に支えられ、そして一人の男として生き続けていたのだ。

 だからこそ守りたい場所があると、そう言っている。


 こんなNoah(ノア)Emmaエマが心読でお互いの心の内を暴かれれば……ふむ、なるほど。少しだけ男女で組む危険性が理解出来た気がする。


「あの、良いでしょうか」

「発言を許可する」

「ありがとう総隊長。私はCCC(シースリー)、私も宇宙戦艦は無事だった口だけど、その後宇宙戦艦同士のドンパチを経験した口でね。最初に言っておくよ、あの240リミットの脅威を何とかしようとしているのは僕たち地球人だけじゃないって事。生憎話し合いも何も無くて、一方的に戦闘が始まったけど、闇の力で逃げ続けたさ私は。宇宙は広い、敵の数は不明、守る物は間違いなくある。要は、還る場所を守るってのは、想像以上に大切な任務って事だよ」


 なるほど。

 人は還る場所を必要とする、か。

 菜茶も良く空を仰いでいたが、もしかすると還る場所をみようとしていたのかもしれない、な。


「ありがとう、二人とも。これで防衛線の重要性は理解してもらえただろうか? 作戦も何も無い、ただ女性陣の得た宇宙戦艦も踏まえ、その全てを守り抜くのが俺達の役目だ。何の脅威から守るのかは理解出来ていないが、無事に帰ってくる場所を死守するという意味だけは把握しているつもりだ」


 わからない脅威から大切な物全てを守り続けなければいけないという。

 難易度だけで言えば、こちらの方が上になるのかもしれないな。

 だから、つい言葉を発したくなる。


「私も力を貸すが故、菜茶や姫、皆の還る場所を守ろう」


 おかしいな。

 こんな思考をするようになるとは、まるで人間にでもなった気分である。

 私の言葉に、皆頷いてくれた。


 この数時間後、ついに宇宙と大地の作戦は開始される。

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