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188.二面攻略(2)

 そして時は過ぎ、240リミットの脅威の引力に巻き込まれるまで後数時間。

 強者達プロゲーマーたちは菜茶の話を以前よりも真摯に耳を傾けていた。


「私たちにとっては大分昔の事のように思える事だけど、当初のブリーフィングで立てた作戦案から一転、攻略情報を元に作戦を再編したわ。一つ、女性陣がダンジョンの攻略を。一つ、男性陣は還る場所の死守を。それだけの簡単な作戦よ、それじゃLESS総隊長、男性陣のまとめ役は任せるわね」

「うむ、任せておけ。マイティ含む皆が帰る場所を約束しよう。男性諸君、こちらで最終調整を行う」


 LESSの言葉に従い、パイプ椅子で円陣を作ると男性陣は防衛ラインの作戦会議に入っていた。

 一方、菜茶はというと。


「それじゃ、改めて。私達は240リミットの脅威を排除すべく、ヘルダンジョンの中でも特に厄介な部類になる、心読しんよみダンジョンの攻略をすることになったわ。第一階層で装備の入手、第二階層では巨大な矢からの防御と、アリの大群の排除。第三階層は倍化エリア。それも自身の体が肥大化していく凶悪なデバフだけど、マップがあるから急げば問題無いはずよ。敵はドッペルゲンガー二体だけみたいだし、そこは実力でねじ伏せるしかないわよね。そして第四階層、才神神姫さいがみしんきというプレイヤーとの遭遇が予想されるわね、まぁ私達が相手すれば何も問題ないでしょう。で、問題の第五階層。ここからが私たちの課題となるエリア。間違いなく全員で突っ込んだら自爆必死のエリアよ、そこで」


 菜茶、まさか更に戦力を分断するのではないだろうな? そんな不安に似た疑問を抱く。


「全員でこの第四階層までの突破を目標とし、そこからチーム割をしようと思うの。でもそれまでに絆を深めとかないといけないと私は考える。そこで、攻略班は予め少人数での攻略とし、第七階層にある街での集合で、再編成とします。到達までの期間は二週間として、二週間後に辿り着いたメンバーで最終階層まで奪取攻略ローグライクを実行します。そんな渋い顔しないで皆、私達はアレ」


 指さす先にはRLの没入デバイスがある。


「VRMMOゲームをプレイするだけよ。死んでもマイルームに戻るだけ、そうでしょ?」


 何と気軽に言い放つのか。

 既にこの没入デバイスからの情報は、現実の視神経に直接影響フィードバックを与えるというのに。死ねばその恐怖が、痛みが、苦しみが伝播でんぱするというのに。


 脆弱な人間に、死を何度も経験しろというのか菜茶は? 菜茶ですら、この二年間死ぬ度心折れてきたというのに。


「私はこのクソゲーを終わらせるラストチャンスだと確信しているわ。早くこんなシナリオ終わらせて、早く日常に戻りましょう」


 頭があれば抱えたい気分だ。

 そんな事を考えてしまう私だが、完全攻略には私も賛成である。

 結局、誰一人として反対意見などは出ず、ダンジョン攻略へ向かう再編成が組まれる事となる。

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