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186.茶をしばく(5)

 私も実に凄い事をいとも簡単にしてのけたと、そう分析する。


 乙女おとめはまるでとろろ昆布のキャラを操作しているかのような身のこなし。

 咲もLiLy(リリィ)のような近距離戦闘。

 儚夢アネモネさんに至っては現実リアルであんなライフルを扱えるなんてデータはどこにも無い。


 菜茶もまるでタイミングを全てはかり、まるで指先から放った銃弾が包丁男ターゲットを射抜いたように見えた。儚夢アネモネさんとは一度も通信等の連絡はとっていないにも関わらず、だ。


 あのRLへの没入デバイス内での動きは、一定以上の現実での行動不可レベルの動作になると全身の動きが停止してしまう。にも関わらず、RL内ではしっかりと行動がとれている。

 そして、その行動結果の負荷が実際に反映されているようだと分析する。


 つまるところ、あの世界で約二年もの間生き続けた強者達プロゲーマーたちの経験値が現実に反映されている、はずである。


 でなければ、あんな脚力で人類は行動は出来ないだろうし、包丁という凶器を持つ相手に対して対峙出来る訳が無いのだ。訓練を積んでいなければ、脆弱な人間には決して対応出来ないのだから。


『菜茶、提案がある』


 私は菜茶へと提案を申し出る。


 こんなにまでも進化を遂げた人類を、私は記憶したいと思ったのだ。

 強者達プロゲーマたち個々の情報はしっかりと記憶しているが、そんな相模達が集ったデータを持っていない私は、そんな自らの欲望を申し出る。


『集合写真を撮ろう』


 私の願い事は菜茶にあっさりと容認された。


「ふむ、悪くない提案ね。ハウル、スケジュールは任せたわ」

りょ、感謝する』


 こうして、最初で最後の強者達プロゲーマーたちの集合写真を撮るイベントが開催されることになった。




 翌日の夕方、ビックサイト前に集合したメンバーたちは自然とポーズをとっていた。

 男性陣は両腕を組み、女性陣は腰に手を当てていた。


 そんな中、中央に構えたGODこと原梅だけポーズをとるのが遅れ、棒立ち状態だったが周囲を見渡すと自然と皆がポージングを決めており、一人照れながら遅れて両腕を組む姿は写真撮影後、皆から微笑ましく突っ込まれるのであった。


『全員集合の写真データを保存。私はこのデータを一生大切にしたいと思う』


 誰に告げる訳でもなく、そんな事を思考する私であった。

 さぁ、明日は強者達プロゲーマーたちの総力戦の幕開けである。

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