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143.とろろ昆布クエスト(2)

「とろ様、お疲れ様」

「あっ、どうもです」


 操縦室から出たとたん出待ちをしていたのだろう、侍女のル……なんたらかなたらキーさん(長すぎて覚えてない)に声をかけられた。


「ルキーさん、ずっと待ってたんですか?」

「はい。お腹空いていると思って。これ、どうぞ」


 この体にでは特に食事が必須になっていないのだが、何となく食欲はあるので素直に小皿にのったおにぎりを掴もうとする。


「あっ、その前にこれで手をふいてくださいね」

「何から何まですいません」

「そんなっ! あぁ、とろ様のためなら私達密着不可分(ツキマトウモノ)の住民、100,000人の総意で命すら提供できます!」


 重いっ、重すぎる。

 ダンジョン攻略者という事もあるけど、その頃でやっと一部が私を受け入れてくれるようになって、240リミットの脅威との正面衝突ミッションの公言では、半数以上の住民が私の意見を受け入れてくれて。


 そして実際に敵対した祈願と、その結末。

 負傷者ゼロという奇跡に、まさかの支持率100%達成をしてしまったのだ。


 愛称として『とろ様』と呼ばれるようになり、私は実名でキャラクター作ればよかったと今更ながら後悔していたりする。

 ちなみに、住民の方々の名前はやたらと長く、愛称呼びで構いませんという事で本名はとっくの昔に忘却してしまっている。


「はふっ」


 海苔に包まれたお米群(おにぎり)は想像以上にホクホクしており、思わずほっこりしてしまう。


「おいしいです」

「良かった。ここ数日元気がなさそうだったから……私達で力になれる事があれば、何でも言ってくださいね? 何でもしますから」


 ん、何でも? とか冗談で突っ込む気力は無いのでスルーして。


「ありがと。ちょっと私街に出てくるね」

「? はい?」


 一瞬不思議そうな顔をしてみせたルキーだが、私が街へ出るのがそんなに不思議かい?


「あっ、いえ! その前にその服はちょっと!」


 何だろうと、視線を下に向けるとミニスカートの裾の一部がめくりあがったままだった。


『ミニスカート:淡いチェック柄で可愛い。女子高生が良く着用する。

        防御力+0

     OP:風属性抵抗(強)

        鉄壁(破損しない)

        魅了(小)

        速度アップ(小)

  セット効果:絶対領域(大)(ストッキング(黒)装備時、下半身へのダメージ軽減(大)、バリア(強:アクティブ)が発動する)』


 と、優良OPがつきまくった一品なわけだけど、風耐性でスカートがめくれないと思っていたがどうも物理的(ソファに大分した勢い)にアウトだったらしい。

 何食わぬ顔でスカートの裾をつまみ、そっと元へ戻す。


「そ、それじゃあ行ってくるわ」

「はい」


 まるで女子高生時代に戻ったような服装に身を纏いながら、私は仲間たちの情報が無いか街へと繰り出した。

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