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141.宇宙の彼方で愛を叫ぶ【幕間】

---???視点---

 どうしてこうなったのだろうか。

 こう、とは地球が無くなってしまった事を指している。


 改めて問おう。


 何故こうなった? と。


 私はその答えを知っている。

 心が惰弱だじゃくになっていった世の中の流れがイク無い。

 情報が広がると同時に、心の声までもがあらわになったせいで存在しない物に怯えてしまう日々を過ごすことになったのだ。


 Love(あい)は消え、思いやりは罵倒ばとうにかき消され、好きという言葉さえも発せれなくなりやがてLike(ライク)と心を誤魔化ごまかし、やがてそれが普通ふつうになってしまっていく。


 そんな世界に、救いの道など残されていない訳で。


 だから私は声を大にして言おう。

 好きな物は好きでこくっていけ、馬鹿にする奴など見えない何かに怯えて仮面をかぶった日々を送り、やがて誰にも救われずに終わっていく人生を歩んでいくがいい。


 私は何度でも言おう。

 重すぎる愛情を持つことを誇れと、それをぶつけていく事を、受け止めて真摯に考えた結果を返せと。


 さらされる? 馬鹿ばかにされる? それがお前たちの正義なら、そう思って人生を歩めばいいさ。私は何もせず全滅してしまうような人類なんてクソくらえだと何度でも罵声を浴びせてあげるよ。


 あぁ、もう何度も言える場所は無いんだったね。


 感情的になってしまったが、情愛じょうあいしずくの如く僅かな量しか持つ器しか持たず、その僅かな一滴の情愛で最高にハイになれるわけで。


 そんな一滴しかおもてに出せない世の中だったからこそ、愛という結びがその先へ続く可能性を持っている事にも気が付かず気化きかしてしまい、冷めてしまうのだ。


 だから私は誰にも負けない愛情という心の力で、今をこうして歩み続けるのだ。

 必ず、君を見つけ出す為に。




 ローグライフ。

 この延々と続く大地に住む一部の人々をそう呼ぶ。


 そしてそんな人々は何度も蘇り、何度も無法者ローグとして仲間を求め広大な大地を彷徨さまよっている。

 特徴として、体力は10という数値性で管理されている。


 いわゆる、攻撃判定さえ通れば10回殴ればローグライフはデスポーンする。

 そんなローグライフを送る私達は、通信系を除くコンソールシステムの活用が出来る。


 同じくこの大地に住む先住民は、祈願者のろいもちと呼ばれる旧世代と地球と融合したこの大地に生きる者たちは祈願が出来なくなったと、新世代と名乗るようにしているようだ。


 そんな三種の人種が生き永らえるこの大地だが、ローグライフを送る私達は旧世代の祈願者の力を追い求めて旅をしている、はずだ。


 少なくとも、今の私は旅をしている。

 あまりにも広い大地のせいで他のローグライフプレイヤーと遭遇したことがないので、何ともいえないが。


 でも、私はこのVRMMOのクリア方法を理解している。

 もう一度言おう。


 愛の力は地球を、宇宙を、皆の心を救うのだと。

 ふぅ、やっと私は二つ目の宇宙船跡地へ辿り着くようだ。

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