135.奇跡艦隊(13)
唯一私達の隊列の後ろに一隻、CCCが操縦する暗闇底が控えていた。
時間は作戦会議での一幕に遡る。
「それで、ワープの仕組みがマルムお嬢のWYを使う事にしたんだが、その効果範囲をだます方法を見つけたぞ! 皆、みていてくれ!」
ドクタータクトがペットボトルを一本用意すると、スクロールをビリリリっと破いて見せるとマジックのようにペットボトルが消え去った。
「このように、今ここにあったペットボトルはイイという少年の元へワープした。次に二本のペットボトルを対象にすると、一人相当とみなされて……こう、ほらね?」
二本に対して一本しかとんでいかなかった。
しかし。
「では、CCCのスクロールを使わせてもらって……これで完成だ」
ペットボトルの周囲が闇に包まれ、二本目のペットボトルが闇に包まれる。
「この状態で使うと……な!?」
闇が晴れたように、ペットボトルは跡形も無く姿を消してしまう。
「こうすることで認識を誤魔化せるようなんだ、恋は盲目とは誰が言ったのかな!」
「しかし俺の闇に宇宙船をまるまる闇に包み込めるとは……」
「ここからが面白いんだよ! こう、私の前に闇を広げ、その先にペットボトルを並べる。するとどうだろう? 私からみればすべてのペットボトルは闇に包まれたように認識するわけだ。で、この状態でこうすればっ!」
ビリィ、と豪快に破かれたスクロールの効果により、ペットボトルは闇に包まれその全てが姿をけしていた。
「つまりは、こういう訳だ」