134/216
134.奇跡艦隊(12)
『あなたの宇宙艦隊名を入力して下さい: 』
突然、閉まっていたログが拡大化されると、私の目の前にはそんなメッセージが出現していた。
『菜茶、どうやらシステムが拡張されるようだ』
なるほど。
ならば私達プロゲーマーとその仲間たちで着けた名を入力しようじゃないか。
「奇跡艦隊、それが私たちの艦隊名だよ!」
『……受理。これより十の宇宙船は戦闘モードへと移行。奇跡艦隊は速やかに隊列を組むよう移動を開始してください』
システムが私達をアシストするかのように、ログを吐き続ける。
同時に、3Dマップに最適化されたコースが出現し、集合ポイントまでの道しるべをひいてくれた。
「いっつぅ、何だ何だ? なぁ嬢ちゃん、奇跡艦隊って一体? おわっ、加速し過ぎだ! 皆こけちまうだろう!」
ルバーが何か訴えているが、没入感が少し薄れるようなシステムのアシストに疑念を抱きつつも、私たちは気が付けば集合ポイントへ何の弊害もなく到着していた。
総勢十の宇宙船が横一列という隊列を組み流星群の向こう側、240リミットの脅威へと対峙するまでに至った。