133.奇跡艦隊(11)
「ッカァー! やっと戻って来たか! どこまでも付いていくって言ったのにつれないぜおい?」
「何だかルバーを見ると妙に落ち着く自分が嫌だわ」
母船に戻ってくるなり、どこで気配を感じ取ったのかルバーが現れた。
といっても、ここは操縦桿のある空間であるのだが。
「まぁ船のコントロールはお宅任せだからな、戻ってくるならここだろう?」
何故か私の疑問を応えるかのように補足をいれるルバー。
「で、私は合流ポイントへココを移動させようと思うんだけども」
「ん? どこか宙路でも決まったのか? 逃げるならとことん付き合うぜ!」
「ん?? あれを取り除きに近づくんだが」
「ん??? おいおい、本気でアレと向き合うってか? いや、そういう発想を持てるって理解してたからこそ、俺もここにいたんだけどな!」
少し震え声のルバーは、胸を張って公言した。
「聞いたか! どうせ尽きる運命ならば、最後まで抗おうじゃねーか! 俺達銃之支配の住民、皆イクラ、あんたを支持する! あのクソッたれな奇跡との全面戦争といこうぜ!」
「ほう、私の居ない間にまとめておいてくれるとは。やるね」
ドヤ顔を決めたルバーに、もう一言付け加えるとしよう。
「それじゃあ、お言葉に甘えて銃之支配の操縦練習をさせてもらうよ? ずっと逃げる宙路をとってたからね、実は一番私たちがあそこから遠いんだよ」
「操縦練習って、おい嬢ちゃん、一体何ヲォォォォ!?」
私は前方を囲むように現れた五つの特殊操縦桿をとっかえひっかえして次々に空砲を解き放っていく。ガンッ、と軋むような音と共に崩壊していく建物の音がいくつか映像でみてとれたが、修繕は生き延びれたら頑張るとしよう?
「銃之支配発信するよ!」
突然の揺れにもみくちゃになりながら転がっていくルバーを他所に、私の船は行動を開始した。