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109.240リミットの脅威(3)

「へぇ、何か神隠しの上位版みたいな話ですね」


 神隠しか、確かに突然と消えてしまうという点では似ているだろうが、記憶までどこかに飛んでしまうというのは不思議でならない。


「私には思い当たる節が無いし、力になれそうに無いなぁ。ごめんね」

「いや、そもそも今日は愛君への詫びが目的だったからね、気にしないでくれ」

「そだ桃ちゃん、桜の番号教えてくれない?」

「あーその、お姉ちゃんにまだ教えてもらってないの」

「あらぁ家族や姉妹を真っ先に登録しそうなのに、意外ね」

「私も聞いたんですよ? でもお姉ちゃんって、『E』を無くしたって携帯みつめたまま固まってて、私も何であんな場所に居たのか理由をお姉ちゃんに聞いたんだけど何も答えてくれなくて」


『Eを無くした。私が何とかしなくっちゃ……私しかっ』


「なんて言いながら、あのゲームの世界に入っちゃったんです」


 Eを無くした、か。

 私達が探しているのは謎の人物だろう存在であり、関係性はなさそうである。


「昔動画でキーボードのキーがふっとんでアタフタするのあったよねぇ」

「「知りません」」


 おいおい、私には通じるけどこの子たちの年代には伝わらないだろう? いや、わかるのが何故か悲しい。


「あれ、何か緊急メールが入ってます」


 携帯を取りだした桃がそういうと、内容を朗読しだす。


「えっと、何か遠くに新しい星が見つかったんだって」

「へぇ」


 どうやら世間は大盛り上がりらしい。

 専門家曰くとてつもなく巨大なその星は、もしかすると人が住めるのではないか? など様々な夢物語おくそくが飛び交っていた。


 でもこの時、何故か私は不吉な予感しかしなかった。


菜茶なちゃ、アレはもしかして』

『そんなハズは無い、と思いたいけど私の直感ちょっかんは人類最高峰だと自負しているんでね』


 結局、綾乃君からは確かに誰かが居たが、誰一人としてその存在にたどり着けなかったという調査結果を。桃君からはお姉さんが『E』を無くしたという情報と、ネットで何か無いか調べたが何もわからなかったという情報しか手に入らなかった。


 間違いなく、何かが現実で起きているのは間違いない。

 そしてこのタイミングで発見される新しい星。いや、惑星か? まだ情報がハッキリしないが故に、行動は難しい。


 普通ならば。


 自宅に帰るやいなや、マネージャーへ連絡を入れる。


「あれ、菜茶さん? 珍しいですね、何か用っすか?」

「ああ、用事だ。これからそうだな、十日先までに入ってる仕事全てキャンセルだ」

「……ふへ? やだなぁ、そんな冗談初めて聞きましたよーハッハッハッ」

「大真面目だバカ者。後、ランカー達の連絡先を集めて寄越せ」

「……マジで言ってます?」

「三度も言わせる気か?」

「いや、ね。何ていうか、このタイミングでこの行動力って、凄くヤバい気がするんですよねぇ」


 ふむ、私のマネージャを務めてるだけはあるな。


「わかりましたよ。今度私にもカニ、奢ってくださいよ?」

「今度があれば腹が裂けるまで食わせてやるよ」

言質げんちいただきましたからねっ! 24時間後、連絡入れます」


 頼もしい。

 一日で今の依頼を全てやりこなすと言うからには、間違いなく彼女はやってのける。

 普段は私がシッカリし過ぎて出番がほぼなく、ダラダラとスローライフを楽しむ彼女だが、有言実行を必ずしてみせる現実の立ち回りは目を見張るものがある。


『ハウル、こっちも動くよ』

『了、いつでもログインが可能だ菜茶なちゃ

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