103.銃之支配を奪い取れ(19)
結局、第四階層だけで4時間を費やした。
体力も残り2まで減っている。
狂人化で遊んだ時に被弾7(全て1ダメージ)。
解析極の時は被弾0。
休憩中に謎の被弾1。
要するに第四階層に4時間も居て被弾はゼロだった訳だが。
「AI君、回復手段は無いのか?」
「んー、いくつかドロップしてるけど回復はなぁ」
「あぁ、そういう事ね」
「おいおいおいおい、そろそろ休憩しようぜ? 前の休憩から2時間もぶっ通しとか命がいくつあっても足りねぇよ」
全身ボロボロになったルバーがそんな事を言う。
「そうね、AI君も次はBOSS戦だと思って回復しなさい。これは命令」
「んーあー、うー……わかったぁ」
「ルバー、今度は私が見張っているから少し休みなさい」
「お、おお? 何だい、そんな気遣いも出来るんじゃねぇか。ッだぁぁぁ」
だみ声を上げながら仰向けに倒れ込むルバー。
流石にNPC消滅は後味が悪いし、クリア評価が下がりそうな要素は排除したい。
「AI君、そこに転がってるのを頼むよ。私は少し稼いでくる」
「はぁい。私もここで休憩してるよー」
有用そうなアイテムから、鉄くずのようなゴミまで様々なドロップがあるからここは集めれるだけ色々集めてから次へ行こう。
「30分くらいで戻る」
「はぁい」
「……」
手を振る仕草だけで応答するルバーは本気で疲れ果てているようだった。
……。
雑魚狩を終えた私はドロップ品をソートしつつ、告げる。
「お待たせ、二人ともゆっくり出来た?」
「うん」
「おう」
二人とも何らかのアイテムで回復させたのだろう、コンディションはマックスへ調整済のようだ。
「そう、なら行くよ!」