第6話 ★ 俺と生徒会強制勧誘 ★
いよいよ本格的な内容に入っていきます。
この第6話からできれば、長めにしようと思っています。
「おい、彰人。お前、すごいじゃん!!」
教室へ帰ってきて竜也が最初に口にしたのはそれだった。
「あの、姫に選ばれるなんて幸せじゃん」
竜也は姫の恐ろしさがわかっていない。
「はぁ、どこがいいんだよ」
思わずため息をついてしまう。
そのあともクラスの男からは羨ましがられ、女子からは応援されて。
これが何か他のこと、そう例えば体育祭のリレーで大役を任せれているときとか……な。
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気づけばもう放課後だった。
嫌なことが後に控えているときは時間を早く感じる、というやつだ。
俺は必死に逃げる算段を考えていたが、あとあと非ッ常ぉーに面倒なことに成りかねないという結論に
達してしまった。
(……屈辱だ)
「失礼します」
俺は生徒会室(通称:姫の間)に足を踏み入れた。
その瞬間、薔薇のイメージが脳内に侵入してくる。
姫は如何にも生徒会長らしく(?)優雅に紅茶を啜っている。
「来たわね、フフフ……」
姫は満面の笑みで俺を見てくる。
普通のやつならイチコロかもしれないが、残念ながら俺は幼いころからの耐性で効き目がない。
「あら、ということはこの子が真由の言っていた彰人くんかしら?」
部屋にはど真ん中に縦に長い机が置かれている。
姫はその端っこ、つまり今俺が立っている場所からちょうど部屋の反対側の机の前にいる。
声の主はその姫の左斜め前に座っている黒のロングヘアーの先輩だった。
「そう、結構イイ線いってるでしょ?」
「うふふ、そうね。姫のはつこ、モゴモゴ……」
「(その先言ったら殺す)」
何か、急に席を立ったかと思うと姫はその人の口を塞いでいる。
で、耳打ちしているようなのだが……?
「じゃあ、生徒会委員の紹介をするわね。」
まずは例の黒のロングヘアーの先輩。
「この子は三島 沙耶。役職は副会長。」
紹介されると同時に沙耶さんは俺に抱きついてくる。
俺より身長が低い沙耶さんはそのまま倒れこむように俺の首に手を回して抱きついてきた。
当然、沙耶さんの胸が当たる。
学校では巨乳のトップを競うという胸が俺の体との間に挟まれてフニャッと潰れる。
「よろしくね。(もしも、寂しくなったらいつでもお姉さんの所にきてもいいわよ。フフフ、夜でもね)」
沙耶さんは俺の耳元に口を近づけて言ってくる。
(何か、声が色気たっぷり。これはヤバい)
俺はその色気が危険だと判断して咄嗟に後方に避ける。
「あら~、嫌われしまいましたわ~♪」
沙耶さんは黒髪を靡かせながら、クルッと反転して元の位置に戻った。
そこには姫がいたのだが。
「(沙耶、本当に次いらないことやったら潰すわよ)」
「(怖いですわ~)」
彰人の知らない女同士の怖い怖いバトルがありました。
「次は書記の神宮寺 遥」
「よろしくね、彰人くん。わからないことがあったら聞いてね」
そう言って、手を差し出してくる。
この中で一番まともに見える。
「会計の六十谷 ミレイ。彰人と同じ学年だったわね」
「……(コクッ)……」
挨拶は一番地味で、会釈しただけだった。
そのままミレイは手元の資料に視線を戻したのだが、後ろから気配を消して忍び寄る人あり。
「----ひぁっ!?」
ミレイが甘い声で悲鳴を上げた。
「う~ん、こんだけおっぱいを揉んだら恥ずかしい気持ちも吹っ飛んだでしょ?」
姫が笑う。
ミレイはそのそこそこ豊満の胸を両手で隠して、顔を赤らめている。
で、それを俺はノーカットで見てしまっていたわけだ。
「……変態。」
ミレイがこっちを恨めしそうに睨んでくる。
(俺も被害者なのに)
とはとても言えそうにない。
「これで紹介は終わり。で、彰人には会計をやってもらうわね!!」
「嫌です!!」・「ちょっと待て!!」
ミレイと俺が喋ったのはちょうど同じタイミングだった。
「何で変態と仕事をしないといけないんですか」
「待て、俺は変態じゃないぞ」
「人が胸を揉まれていたのを凝視していたくせに(ポッ)」
顔を赤くしながら抗議するミレイ。
(恥ずかしいなら言わなかったらいいのに)
女心をわかっていない彰人である。
「それより、俺は生徒会に入るつもりはないぞ」
俺は生徒会入りをきっぱりと断るつもりだった。
「あら~、かわいい子がそろってるのに。残念ですわ~」
遥さん、自分のことも「かわいい子」に分類してる!?
確かにかわいいかもしれないが、それよりも「きれいなお姉さん」的な言葉の方が似合う。
「(・・・・・・よかった。変態と一緒じゃなくて)」
(あのー、ミレイさん。わざとですよね!?)
ミレイはボソボソと俺にだけ聴こえる声で呟いた。
「え、彰人入ってくれないの?」
姫がウルウルと瞳に涙を溜めている。
誰がどう見ても嘘泣きである。
俺が姫を嫌う理由の一つ目がこれである。
「何で俺が入る必要があんだよ?第一、同学年を誘えばいいじゃないか。それにこっちも忙しいんだ」
もっともな発言をする。
普通の人ならここで引き下がるのだが……そうもいかないのが姫である。
「はぁー」
姫スマイルがため息と共に消える。
これは俺が嫌う理由の二つ目が発動する。
俺は身構えた。
「なら、この写真学内ネットに流そうかしら?」
そう言って俺のところに来て、スマホの画面を見せてくる。
そこには俺たちが少々エロい雑誌を読んでいる姿が写っていた。
ちなみに学内ネットは生徒なら誰でも見られる。
「彰人が入らないって言うなら、うっかりするかもしれないわよ」
俺が姫を嫌う理由の二つ目。
自分の思い通りにならなければ、無理やりにでもそうさせる。
「俺には退路がないんだろ」
半ば諦めモードになる。
もっともそのエロ本を見ていたのはほんの一瞬だけだった。
竜也に「良い女が写ってるぜ」と言って見せられたのを見ただけなのだ。
もっとも証拠に対して言い訳は通じないわけだが……。
「フフフ、歓迎するわ。生徒会へようこそ、彰人」
可憐な笑みで姫はそう言った。
・・・・・・俺は弱い男である(泣)
次の投稿は27日午後12時までを予定しています。




