森
「イタタタ…」
咲は目を覚ました。頭を強く打ったのか、後頭部に痛みが走っていた。
視界もぼやけていたが見えるようになった。
周りには咲の何倍もの大きさの木々が茂っていた。
上を見上げると枝葉の間から日光が少し漏れていて、昼なのだろうが暗かった。
足元に目をやるとそこには賢人が倒れていた。
「け、賢人!大丈夫?!」
咲は賢人の背に手を回し、上半身を抱き上げた。
とっさに口元に耳を寄せ息をしているか確認した。
「よかった…息はしてる…」
咲はとりあえず安堵し、ふぅ、と息を漏らした。
まだ目を覚ましそうになかったので抱き抱えた状態のまま待っていた。
「まったく、トラックに轢かれそうになってるのにボーッとしてるし声かけても反応示さないし、アンタが死んだら…」
咲はうっすらと目に涙を浮かべた。
「う…んぅ…」
賢人の顔に変化が見られた。
さっきまでは穏やかな表情だったのに今は苦しんでいるように見えた。
「賢人!賢人!起きてよ!!」
さっきの表情からは想像もつかないぐらい苦しみ始め汗が滝のように流れ始めた。
「賢人!起きなさいよーーーー!!!」
咲は目を強くつぶり強く賢人を抱きしめ大きな声で賢人を呼んだ。
「ぷはぁ…はぁ、はぁ…」
まるで先程まで息をずっと止めていたかのように激しく呼吸を始め目を覚ました。
「あ、あれ…?ここってどこだ…?つーか咲、なんでこんなところにいるんだ?」
咲は自分が賢人を心配していた事を悟られまいと目に浮かべていた涙をとっさに拭った。
「さ、さぁ、ここはどこだかは私にもわからないわ。てゆうかあんたね、トラックに轢かれそうになってるのにぼーっとしすぎなのよ。本当アホだわ。起きて目覚めてみたら変なところにいるしアンタはまるで悪夢でも見てるかのように苦しみ出すし…」
「そっか、また、あの夢見てたんだな…」
「あの夢?」
「い、いや、別になんでもない。それより、なぜ『力』を解放しなかったんだ?
俺が言うのもなんだけど咲が力を使えば俺を助けられたんじゃないか?」
「アンタね、私が何年『力』を使ってないと思ってるの。10年ぐらい使ってないのにいきなり使うなんて無理よ。てゆうか賢人、助けられたんじゃないか、って、轢かれそうになってる時自覚あったの?!」
「まぁ、自覚はあったけどなんつーか、意識がボーっとして」
「どんだ鈍感やろうね」
咲の言葉に言い返しようのない賢人は苦笑いするしかなかった。
「ほんと俺って鈍感だよな!笑えてくるな!」
賢人は開き直っていた。
「笑っとる場合か!」
ゴツ、という鈍い音が響いた。容赦ない咲のげんこつが賢人の頭に降る。
「おいおい咲、少しは加減しろよな」
「アホにはこれぐらいがちょうどいいの。それよりさ、ここって一体どこなの?」
どれだけ考えても咲には答えが見つけられなかった。突拍子もないことが起きて頭が混乱しているせいか答えにたどり着けない。
その時、咲があえて口にしなかった言葉を賢人ぎ吐いた。
「異世界じゃね?こういうのよくあるじゃん」
「あ、アンタね…そんなことが…」
「キャァァァァァーーー」
二人の耳に突如女の子の悲鳴が聞こえた。
「な、何今の悲鳴?」
「わからない。だけどとりあえず行こう!咲!」
「う、うん!」
二人は悲鳴が聞こえてきた方向に向かって木々をかき分けるように走った。
そして二人は木が一切立っていない広々とした場所を視認した。
そしてそこへ駆け込んだとき、尻餅をついた少女と、巨大な何かを二人は見た。
どうも、樹紅葉です。
3日に1回投稿すると言っておきながらかなり遅れてしまったことお詫びします。
今回の話はどうだったでしょうか?
自分は作者なので主観でしかこの小説を見ることができません。
客観的意見が欲しいので見た方はぜひ感想などお聞かせください。
今度の投稿の時には物語が大きく動くと思いますので、楽しみにしていてください。
まぁ、まだ読んでいる人などいないでしょうが(笑)
それでまた、お会いしましょう。




