死神+アサシンの選別話③
土日は高確率で更新されません。後、誤字の指摘ありがとうございます。
「お待たせ致しましたァァァァ!!!第三陣の時間だ!!!」
『また、今回はレベルの差が激しく、他のプレーヤーが楽しめなくなるのを避けるため、高レベルの廃人プレーヤーや隠しキャラで高い戦闘能力を持つものを集めさせて頂きました。白熱とした闘いを期待しましょう』
「御託はイラネェ!!さっさと戦ってくれぇぇぇぇ!!!!スタァァァァァァァァト!!!」
「そんなに凄いのか?ならば見ておきたいが、今までと同じように終わりだけ見れば良さそうな気がする」
「ですが、特別なスキル、技術、技能、武器、防具が見れるのは中々無いと思いますよ?」
「う~ん、取り敢えずメモだけは構えとこうかな?」
熱気に包まれるスタジアム、入口が何時ものごとく開くが出てきたのは100人の半数より少し多いくらい、その他は空から羽音を立てて舞い降りたり、虚空から不意に出てきたり、小刻みな揺れを伴いながら穴を開け飛び出してきた。装備も鎧やレザーアーマーが主流だったのに対して、空から来たものは防御力の低そうな衣を、虚空から表れた者は地面から五センチ程浮き、浮遊しながらの移動をしていたりとユニークである。
「何か…見た目に華があってズルいなぁ…。俺のは黒いローブとコートを足して2で割ったような物だったり、刃の赤い鎌だったのにな」
不満だと口にするが、機能的には一番秀でてるのはそのコートモドキと赤い鎌である。
しかし、刃同士が打ち合う音に試合へと意識が戻されていく。
「レベル50オーバーの廃人共ォォォォ!!!行けェェェェ!!!」
『実況は公平にですよ』
闘技場内では両手が刀になっている男と、身長と同じ位の剣に、ラージシールドを持った剣士が互角に切り結び、空を飛ぶ優女と浮く靴持ちの男が速さで勝負し、三メートルはある禍々しい剣を片手で振り回す男が、何十人と集まった群衆のど真ん中で孤軍奮闘している。
その禍々しい剣を振り回す男には影は見覚えがあったが、思い出せない。
『マギュルさんは、専用武器『憤怒の魔剣 ギラース』を使ったら豪快な闘いを見せてくれています、喰らえば立つものなど居らず、全て薙ぎ倒されている!』
「血ィ沸き、肉踊る闘い!!!剣男と剣士!どちらの剣が上だぁ!?」
決闘、舞い、蹂躙、この三つに別れて音が響く、決闘からは甲高い金属と金属がぶつかる音、舞いからは風を切り、神風のごとく斬る、避ける、斬る、避ける、蹂躙からは剣が振られる音と、それを喰らい弾け飛ぶ選手たちの叫び声、恐怖で立てぬものや、倒されたもので地面が埋まっている。
選手マギュルが蹂躙しつくした直後、剣士の剣が剣男の首を撥ねる、優女の刃が浮く靴の男を斬りつける。残ったのは3人、決闘の末に勝ち取った者と、舞いの締めとばかりに終えた踊り子、そして立ちはだかる敵を薙ぎ倒した鬼、この3人が残った。
「あれ?四人目は?」
気持ち、かぁ…。道徳は結構優秀なつもりだったけどなぁ…。難しい…。