VS漆黒狼だそうです 2
皆~、起きてる~?俺は~、起きてる~!
「うぉぉ!『斬舞』『斬舞』『斬舞』!!!」
影で縛って、腹へと目にもとまらぬ早さで斬りつける。短剣でやっているぶんリーチが少ないが、動けなきゃ無問題だ。
「ぐろろぉ…」
ズサァー……
今ので五体目が倒れる。が、アーツを使用した後の硬直を狙われ、噛みついて来ようとする。
「影移動!!!クソッ!MPが無いからここで遠距離攻撃が出来ない!」
何時もならここで闇魔法の二、三発を撃ち込むがむやみやたらに、死属性魔法を使ってしまってそれが出来ない。
「こんなんだったら、運営の思い通りに動けば良かった!」
かなりの速さで走りながら愚痴を溢す。ステータスが今まである程度あったから良かったものの、今では二対一だ。それにボスだ、流石に死ねる。
「ん?そうだ、策を打とう。奴らは鼻と耳が良い奴だし行けるだろ」
そう言い、おもむろに短剣を投げる。が、投球スキルが無いのでダメージも無いし、リアルと同じ速さでしか飛ばない。
「別にかわされてもいい、つーかかわせ!」
通じたのか分からないが、避けられた………………余裕を持って。
「ウグググッ!まてまてクールになれよ俺」策を打った多分勝てる、つまり慌てなくてもOK
苛立つ心を静め、広く場所を見る。短剣はどうやら入り口付近の少し壁がくぼんだ所へ刺さっている。
「よしっ!!一気に走れェェェ!!!」
その短剣へと急いで走る走る。もちろん狼は後ろを追いかけてくる。
「着いた!後は間合いに入れば……」
俺は短剣に背を向け、狼達を待つ。
「「グルルルルッ!!!ガアッ!!」」
「今だ!『影壁』からの~!!!」
俺は後ろに刺さっている短剣を、もう片方の短剣で思い切り叩きつける。
―――キィィィィィィィン!!!!
今、くぼんだ所は影壁で包まれ、ドームのようになり、音が響くようになっている。そこで俺ら人の聴覚でも耳障りな音を、もっと耳の良い奴が大音量で聞いたら?
「クワァン!?」「クベッ!」
「うるせぇ……。まぁ賭けには勝った」
ニヤリと口を三日月状に歪ませる。
「一撃で殺ってやるよ『弐連刺し』!!!」
抜いた短剣で弱点の眉間を2連で突く。俺は急所への与えるダメージはかなりの補正がかかっている。それほボスの低い体力を削り取る位には。
ズガッ!ズガッ!
「もういっちょ!『弐連刺し』!!!」
ズガッ!ズガッ!
「グガァ……」「ア、ア、ァ、ァ……」
最後の二体が同時に倒れる。そこで何処からかアナウンスがかかる。
『第一のボス シャドーウルフリーダーが討伐されました。また、この漆黒狼の巣穴はステージを出るまではセーフティエリアとなります。それでは引き続きゲームをお楽しみ下さい』
そこで、眠気が俺を襲った。
まぁ、報酬は、次~辺りにね、うん、まぁ、ま、また、明日!