chapter4
「不思議☆探検団~?」
次の日の放課後、あたしは蓮くんには昨日の出来事を話していた。
「うん。村田先輩がお礼に入ってくれって。」
「へぇ~・・・で、入るの?」
あたしは蓮くんに一番重要なところを聞かれ、すこしドキッとする。
「あのですね、蓮くんにお願いがあるのですが。」
あたしは少し申し訳なさそうに切り出す。
「一緒に、入ってくれない?」
「いーよ。」
「え、即答!?」
意外すぎる蓮くんの返事に一瞬戸惑う。だけど、すぐに通常運転に戻り、「ほんと?」と聞き直した。
「ほんとだよ。」
「なんで?いつもなら面倒くさいって言うのに。」
あたしがそういうと、蓮くんは「いつもじゃねーしっ」と口を尖らせていた。変な蓮くん。明日は雪かもなぁ。
◇ ◇ ◇
翌日。とうとう「不思議☆探検団」へ行きます。
「確か、部室は第二音楽室だったはず・・・。」
あたしは自分に言い聞かせるように確認する。少し、不安なのかもしれない。
「行くぞ、梓!」
「え、ちょっと待っ・・・」
あたしの言葉も聞かずに蓮くんは勢いよくドアを開けた。
「わぁっーー!?」
「ぎゃーー!?」
ドアを開けると、目の前に女の人がたっていた。
「・・・まさか、君たちが村田の謂っていた・・・新入部員!?」
女の先輩は目を輝かせながら言った。後ろから村田先輩の「そーそー。」と脱力した声が聞こえた。
「さぁさぁ、なかに入って!」
先輩に連れられるがままになかに入っていく。
「あたしの名前は濱田春って言うんだ。春の春だよ。」
春先輩はニコッと笑いながら言った。
「君は、何て言うの?」
春先輩はあたしの方をジッと見ながら言う。
「えっと、あたしは美波梓です。」
「なん組?」
「1年に・・・」
「誕生日は?」
「えっと、3月・・・」
「好きな食べ物はッ?」
「おい、濱田!新入部員が困ってるだろー。」
後ろから、村田先輩が助けてくれた。
ふー、助かった・・・。