chapter1
変わらない毎日が、続くんだと思ってた。
ピピピピ・・・
なりやまないアラームが、あたしの朝の始まりを告げる。あたしはあわててアラームを止めるが、すぐに二度寝の姿勢に入ってしまう。
「・・・って、ダメじゃんっ。」
あたしは急いで布団から出て制服に着替える。今日は4月7日。高校の入学式です。こんな日まで遅刻はしたくありません。
「いそげっ。」
あたしは玄関でローファーをはき、ダッシュで学校まで向かった。
「あ、梓!やっと来た!」
学校につくと待ってましたとばかりに幼馴染みの村田瑞希があたしを見るなり駆け寄ってきた。
「もー、入学式なんだから。遅刻しないでよーっ?」
瑞希はプクッと口を膨らませながら言う。
「あはは、ほんとに・・・」
あたしは瑞希に席をきき、自分の席にカバンを置いた。
「あ、梓発見!」
もう一人の幼馴染み・高橋蓮くんはあたしを指差すなりズカズカと駆け寄ってきた。
「な、何・・・」
「あのなぁっ、俺は今日不安で不安で仕方なかったから梓の家の前で待ち伏せしてたんだよっ、なのにお前はいつまでたっても・・・」
最後は泣き上戸で言った。あたしはいつものことなので適当に謝り、瑞希と話を続けた。
「あ、瑞希聞いてよー」
「どした?」
「今日学校来るときさっ、誰かにぶつかられて溝にはまりそうになるし、来るときの信号全部赤だったし、不幸の連続だったんだよ~っ」
あたしが長々と話終えると瑞希は「悲惨だったね」と笑いながら言う。その笑顔はなんだか悲しそうな笑顔だった・・・気がした。