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〜 ちょっとだけ反省 〜


5月末の大会では、ベンチ入りすら出来ないことが確定した私。


その前の3月の大会では背番号5を背負い、


サードでレギュラー出場していたのを考えると、ものすごい落差でございます。





メンバー発表を終え、解散して道具の後片付けやグランド整備をしている時も、


恐らく私は落胆と怒りで皆が近寄りがたい雰囲気をかもしだしていたのでしょう。





数名の先輩方は





「何もしてやれなくて、ごめんな。」





とか、





「あまり深刻に悩むなよ。」





などという、慰めの言葉をかけていただいたような気もしますが、


ほとんどの部員が私に声をかけることはなかったように思います。



はっきりと断定出来ないのは、


あまりにショックだったのか私はこの日の練習後の事をあまり憶えていないのです。





私もいくらジャイが横暴とはいえ、まさかそこまで徹底的にやってくるとは思っておりませんでした。





ジャイからしてみれば、よっぽど私はタイプ的に気に入らない選手だったのでございましょう。


それは十分に分かっておりました。





事の始まりのきっかけは、最初のベンチプレス事件の際に


私が反抗的な態度をとったことにあります。


その後に始まった、私に対するジャイの仕打ちの数々。


その目的は、その仕打ちに私が屈してジャイに詫びのひとつでも入れ態度を改めた上で、


絶対服従の姿勢を見せることだったように思います。





もしかしたら、早いうちに私が泣きながらジャイに謝罪し、


その上で練習では見せかけだけでも、何くそ的な根性っぽいものを出して


ジャイの旧体育会系的な指導に従う姿勢を見せていれば


事態はすぐさま終息の方向に向かっていたのかもしれません。





考えてみれば高校球児が監督に従うのは当然なわけで、


その辺は、私にも非があったのかなぁとも思ったりしたこともあったような無かったような・・・。





でもね、私にはどうしてもジャイの言動が納得出来なかったし、


指導者としてジャイのことを受け入れることが出来なかったのです。





で、そんな私の練習態度というのがまたジャイの神経を逆撫でしていたようでして。





元々体育会系のノリの根性的なものを持ち合わせていなかった私。


もちろん必要な練習は一生懸命にやります。


しかし一生懸命にやっていても、それが中々表情に出ないタイプなのでございます。


その上ジャイの指令、特に全く必要性を感じない懲罰系の指示に関しては


無表情で淡々とこなしておりました。


それが恐らくジャイの目には反抗しているようにも映り


反省するでもなく悔しがるでもなくといった感じに見える私の態度が


相当気に食わなかったのでございましょう。





私にも改める点はあったのかもしれませんが・・・。





ただ、この時の私は


日に日にジャイへの不信感が募るばかりでどうしようもございませんでした。








                                                                           (つづく)


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