〜 連帯責任 〜
バッティング練習に懲罰があるならば
当然、守備練習にも懲罰があるわけで。
シートノックの際には誰かがエラーを犯すと
「おい、××のせいでノックは中断じゃぁ!
全員ウサギ跳びでグランド一周してこい!!」
という、ジャイの怒号を受け
連帯責任ということで、
ウサギ跳びでグランド一周という罰が全員に課せられるのでございます。
まぁ、このシートノックもバッティング練習同様、
エラーか否かの判定はジャイのサジ加減。
ジャイのお気に入りの部員かどうかによって
その判定に明らかな差が生じるのは避けられません。
元々レスリングをやっていて筋トレバカのジャイが
ノックバットを力任せに振り回して繰り出す打球は
正面のゴロであってもグローブを弾くことも多いという難敵。
ジャイは、自分の意にそぐわない部員には
そんな強烈な打球を容赦なく見舞い、エラーを誘発させるわけで。
でも逆に言えば、お気に入りの部員には、
それなりの打球で無難にさばかせようとする意思が丸見えなので、
その分、エラーをして懲罰を受ける心配は減るはず・・・
・・・なのですが、
ここでネックになるのが、連帯責任という古いタイプの体育会系のノリ。
特に可愛そうなのは、最下級生の1年生部員でございます。
何せ、自分がエラーをすれば
そのせいで3年生、2年生の先輩も全員懲罰を受けることになるのですから、
そのプレッシャーは相当なものでございましょう。
ノックを受ける前から1年生たちは緊張でガチガチ。
そんな、体が強張った状態なものですから、
簡単にさばけそうな打球でもエラーをする確率は高まりますわね。
そして、一度1年生の誰かがエラーをしてしまうと
本人はもちろん、
その後にノックを受ける1年生部員のプレッシャーは割り増しされるわけで。
日によっては、エンドレスなエラー地獄にはまり、
守備練習の時間にもかかわらず、
うさぎ跳びばかりで終わってしまうということも珍しくなく・・・。
そんな、つらい守備練習でございましたが、
その中で、私がジャイから受けた仕打ちというのがまた・・・。
(つづく)