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〜甦る悪夢の日々〜


憧れの晴れ舞台『甲子園』を目指して、一年365日休みなく泥と汗にまみれながら


一心不乱に白球を追いかける高校球児たち。


何を隠そう私も10数年前は、そんな高校球児の一人でございました。




・・・いや、それほど熱くはなかったですが。




そもそも身をわきまえていた私は甲子園なんぞ、はなから目指してはなかったですから。




それでも、小学校から続けていた野球を辞める理由も特になく


他にやることも無いから高校でも野球部に入っとくか、くらいのもんでして。




しかし、こんな高校野球に対する適当な感じの姿勢が


後に、私の人生の中で最低の経験と言っても過言ではない、天敵との出会いを引き起こし、


自分自身の高校野球生活を最悪の方向に導くことになろうとは・・・。




地方の弱小高校野球部にも知られざる熱い闘いがあったのです。


それは、今思い出しても腹が立つくらい悪夢の日々でございました。




小学生のころからどっぷり野球漬けの毎日を過ごしていた私。


小学3年生で入団したチームは、市内では負け知らず


(と言っても、地方の片田舎ですので


 市内に野球チームは3チームしか存在しなかったのですが・・・)


県でも1、2を争う強豪で、全国大会にも出場するほどのチームで、


私はセンターのポジションでレギュラーでございました。




そして小学生の頃のチームメイトが、ほとんど同じ中学に進学したこともあって


私たちの中学の野球部は、市内では負け知らず


(と言っても、地方の片田舎ですので


 市内に中学校は5校しか存在しなかったのですが・・・)


県大会でもベスト4以上に勝ち進むのが常というチームでして、


私はショートのポジションでレギュラーでございました。




そして、中学生3年生として最後の大会を県大会準優勝という結果で終えた夏。


しばらくは、野球漬けの日々からの開放感に浸りっぱなしでございましたが、


夏休みが明けると


自分が高校入試を控えた受験生である事実を思い出さずにはいられません。


15才の私は、自分が進むべき高校の選択に迫られるわけです。


そんな私が高校選びの際に重要視したのは、


野球部に入部したとして、1年生でも試合に出られそうな高校。




だって、どうせ野球やるなら試合に出られないと楽しくないし・・・。




他にやりたいこともないので、高校でも野球部に入ることは決めていましたが、


部員数の多い強豪校で補欠からのし上がって甲子園を目指す・・・などという


高校野球に対する熱い情熱のようなものは、あいにく持ち合わせていなかった私。


実際に高校進学に関しては、私立高校の野球部から有難いお誘いも受けましたが、


(特待生とかの飛びぬけたレベルではなく、


          入試、セレクション免除と言う程度でしたが・・・)


強豪校に行ったところで、レギュラーになれる保証はないし・・・。




何せ中学の3年間で成長期の予兆っぽいものすら訪れなかった私の身長は、


中学入学時からほとんど伸びることはなく、


朝から丼飯2杯、3杯食っても体重は一向に増える気配を見せず・・・


といった状況でしたので、私は自分の野球人生の限界を悟っておりました。




で、私が選んだのは、どちらかと言えば進学校で名の通っていた公立高校。


家から近くて通学も楽だし、何よりも


甲子園を目指そうなどと言う熱い連中が、その高校に進むとは思えなかったので


そこなら早くレギュラーになれると目論んだわけです。




でも今思えば、この進路選択自体が大きな間違いだったのかも・・・









                                 (つづく)


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