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史上最強のメジャーリーガーは引退後は二度目の異世界で自由なスローライフを送りたい  作者: 葵彗星


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第8話 キースラーの町へ

 予想外な言葉がシモーヌから飛び出した。なんで俺が狩人なんだよ。


「違うの? だって小石を投擲して魔物を退治する芸当と言ったら、狩人の得意技でしょ」

「そういや、そんなスキルが狩人にはあったっけ。それなら納得だけど……」

「……そうだな。俺は……狩人だ」


 ここであーだこーだ俺のスキルや能力を細かく正しく説明しても、混乱を招くだけだ。狩人っていうことにしておこう


「ちょっと待て! それなら手に持っているその棒はなんだ?」

「この棒がそんなに気になるか?」

「棒を持って戦う狩人なんて聞いたことないぞ。狩人の得意武器は弓矢のはずだ」


 しまった。スネイルは痛いところを突いてきた。


「それは……」

「第一、〈剛速球〉なんてスキルは聞いたこともない。狩人が使えるのは〈ストーンミサイル〉だ」

「仮に〈ストーンミサイル〉だとしても、それでキングオークを一撃では倒せない」

「確かに、言われてみればそうね」

「お前の職業は……一体なんだ?」


 まずい。適当についた嘘はすぐばれる。どうするべきか。


「ワオオオオオオン!!」


 遠くからなにやら狼の遠吠えが響いて来た。また新手の魔物か。


「今のはナイトウルフの遠吠えだ。けっこう近いぞ」

「しまった! 奴ら夜行性なんだ」

「見つかる前に山を下りましょう。これ以上の戦闘はもう無理よ」

「……賛成だ。ゴーイチとやら、あんたもすぐに山を下りた方がいい」

「あぁ、わかった」


 助かった。ナイトウルフには感謝しないと。これ以上突っ込まれたら、ますます怪しまれるところだった。


「ナイトウルフは群れで襲ってくるからな。そこにいるお嬢ちゃん、はぐれるといけないから俺達についてきな」

「いえ、私は……この人と一緒に」

「俺と一緒に……?」


 セリナは俺の腕をつかんだ。芯の強い顔で俺の顔を見ている。

 この顔つき、どうやら俺の正体を知っているな。


「……まぁ、あんたの強さなら多分大丈夫だな」

「うらやましいぜ、あんた。そんな可愛いお嬢ちゃんに信頼されるなんてよ」

「ワオオオオオオオオオオオオン!!」

「まずい! さっきより近づいているぞ!」

「ゴーイチ、しっかりその少女を護衛しろよ! じゃあな!」

「あぁ、ちょっと!!」


 スネイルとローガンはそそくさと立ち去った。一歩遅れてシモーヌも走り去った。


「まったくあいつら。俺がいるとは言え、こんな少女を置き去りにすることないだろ」

「大丈夫ですよ、私は気にしませんから」

「……お前、サリアの妹だな?」

「……はい」


 やっぱりそうだったか。

 セリナが両手でフードをめくった。長い金髪に尖った耳、色白の肌、前髪は綺麗に直線に整っている。紛れもなくエルフの外見だ。


 夜だから暗いが、間近で見ると顔つきはわかる。本当にサリアそっくりだ。


「やっぱり、知っていたんですね。サリア姉さんのこと」

「彼女は元気にしているか?」

「元気です。でも……」

「でも? 何か問題でもあったか?」


 セリナは神妙な面持ちをしている。何か言いたげだけだな。サリアのことだから、俺も気になる。


「話すべきかどうか迷ってて……」

「どうしてそんなにためらう? サリアは俺の旧友だ、困ったことがあれば何でも相談に乗るぞ」

「……実は」

「ワオオオオオオオオオオオオン!!」

「おっと、いかん! 俺達もずらかろう!」


 のんびりしている場合じゃなかった。さっきよりもナイトウルフの遠吠えが近づいている。


「セリナ、俺がおんぶするよ」

「いえ、そんな……私も走れます……」

「大丈夫だ。俺がおんぶしたほうが速く町まで着ける。それにお前に何かあったら姉が悲しむだろ」

「……わかりました。ではお言葉に甘えて……」

「じゃあ行くぞ。しっかりつかまってろよ!」


 セリナを抱えてスキル〈瞬足〉を発動し、さっそうと森の中を駆け抜けた。

 途中で遠巻きながらスネイル達を追い越すのが見えた。予想していたが、やっぱり俺の方が速かったな。


「セリナ、大丈夫か?」

「は、はい……なんとか……」

「よかった……あと五分もすれば着くだろう」

「五分ですか? えっと、向かうのは『キースラーの町』ですよね?」

「あぁ、そうだ……普通に走ってもいいが、スキルを使った方が速い」

「きつくないですか? 私を抱えたままで……」

「きつい? 俺を誰だと思ってる?」


 セリナは身長は高いがだいぶ軽い。昔サリアを抱えたこともあったが、同じくらいかそれより軽いかも。

 一度目の異世界、そして現役時代に何百キロという重量を抱えたまま猛ダッシュして足腰を鍛えたからな。こんなのは朝飯前だ。


 だけど俺は大事なことを思い出し、立ち止まった。


「あ……キングオークの棍棒……」

「どうしました、ゴーイチさん?」

「……なんでもない……行こう……」


 くそ、俺としたことが。さっきのキングオークの戦利品を持って帰るのを忘れるとは。とんだドジをふんだな。

 だが今はいいか。あのデカさじゃ持って帰るのもしんどい、明日の朝ここに戻って調達しよう。

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