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史上最強のメジャーリーガーは引退後は二度目の異世界で自由なスローライフを送りたい  作者: 葵彗星


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第47話 嵐の中へ

 少し自信なさげに鳴いたな。ラズリーも理解しているようだが、方向転換する気配がない。大丈夫か。


「おい、ラズリー! 頼むから、迂回を……」


(……ゴーイチ、聞こえる!?)


「え? その声……サリアか!?」


 サリアの声だ。心の中で話しかけているのか。


(ゴーイチ、そのまま直進して大丈夫よ)


「直進しろと言われても、あの入道雲の中に本当に突っ込む気か?」


(大丈夫。私が魔力を送ってバリアを張らせる、なんとか耐えられるはずよ)


 魔力を送るだと。まさかラズリーを通じてそんなことまで可能なのか。でもここはサリアを信じよう。


「わかったよ。念のため聞くが、そこは天空竜の跡地だな?」


(えぇ。やっぱりあなたも突き止めていたのね、さすが)


「当り前さ。優秀な魔道士さんのおかげで……あぁ!?」


(どうしたの?)


 しまった。シモーヌと約束していたのを忘れてた、あいつを乗せるために『ルセンの村』まで戻ると言っていた。だけど今更戻るのも時間がかかる。方向も違うし。きっと今頃怒ってるな。


(……そうね。申し訳ないけど、彼女は足手まといになると思う)


「……というと?」


(この島ね……恐ろしく邪悪な気配が漂っているの)


 それは奴らの本拠地だからだろう。にしても、サリアがここまで警戒するとは。ただの怪しげな宗教集団と思わない方がいいかもな。シモーヌには悪いが、ここからは俺達だけの戦いになるだろう。


「あと……ジュスランにも会ったが……なんというか、その……」


(その件については後で話しましょう。いろいろと誤解を解かないといけないこともあるから……)


 誤解を解くだと。意外な言葉だ。差別されたとか言っていたが、ジュスランは何を誤解したというんだ。戻ったら問い詰めてやる。


「ぴきぃいいい!!」


 入道雲が間近まで迫っている。気づいたら、ラズリーの周囲を淡い色の結界がすでに覆っている。サリアの魔力伝導だな、なんと仕事が早い。


(念のためしっかりラズリーにつかまってね。恐らく中は猛烈な嵐よ)


 サリアの警告通りに、近づくにつれて風の勢いが強まって来た。俺の〈測定〉のスキルだと、風速毎秒30メートルといったところか。俺がいた日本でも毎年のように台風が襲来してきたが、その台風の暴風がだいたいそれくらいの速さだ。


 入道雲に入る前でこの風速だと、中はもっとヤバいのか。ラズリーとサリアを信じるしかないな。



「……ボリア、ペデロッツ、プギ……ラッサ……ロ……ディン……ス……メ……メケ……セリナ……」


 薄暗い洞窟の最奥部、遥か大昔に禁忌の魔道士達によって築かれた祭壇にて白いローブに身を包んだ魔道士が座禅を組み古来より伝わる禁忌の呪文を唱え続けていた。


 彼はひたすら信じている。自らの行いは無駄でなかったと、そして今日悲願が達成される。


「……ピビラ……フォース……カツ……リパ……リナ……ルーフォ……」

「ボラリス様! 祈祷の最中に失礼いたします。ご報告があります」


 祈祷に集中し続けて入口の扉が開く音も聞こえなかった。祭壇の間に入って来た部下の魔道士が報告した後も、ボラリスはしばらく祈祷を続ける。報告に来た部下は、ボラリスの横に揺らめいている燭台の炎の色を見た。淡い黄色を呈している、「そのまま続けろ」という意味だ。


「下界に降り立った下部達が例のエルフの少女の奪取に成功しました。なお……ハドラは生き埋めになったそうです」

「……そうか。でかした」


 ボラリスは返答した。祈祷を止め、ゆっくりと目を開けて部下と目を合わせる。


「儀式の準備は整った。すぐにセリナをここへ!」

「はは! それと……もう一つ報告すべきことがありまして……」


 部下が壁にかかっていた絵画まで近づいて手をかざす。絵画がゆっくりと暗転し、島を上空からうつした映像に切り替わった。その中央部に一人の女性の魔道士がいる。ボラリスはすぐに正体がわかった。


「……ほう……これは……面白い」

「どうやらこのアジトまでの転移魔法陣が突き止められたようです。申し訳ございません」

「かまわん。それより、この女は特別だ。捕獲してここへ連れてこい」

「捕獲? といいますと……」

「そうだ。この女は……復活した新しい神への最初の生贄になってもらおう」


 ボラリスの言葉を聞いて部下も納得した。しかしもう一つ懸念点があった。


「どうした? まだ何か言いたいのか?」

「えぇ……実は、もう一人このアジトへ近づいている人間の男がいるようで……」

「なに? サリアならまだしも……一体誰だ!?」

「まだこの島には侵入されていないので映像はありません。飛行監視部隊からの報告によると、その男は巨鳥に乗って移動してきているようで……」

「巨鳥だと……まさか?」

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