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史上最強のメジャーリーガーは引退後は二度目の異世界で自由なスローライフを送りたい  作者: 葵彗星


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第14話 立ちはだかる鎧の魔物

 大広間に入った俺の遥か前方に、何やら鎮座したまま動かない石像のような物体があった。近づいてよく確かめた。

 よく見たら、石像じゃなかった。かすかだが動いているように見える。俺の気配探知スキルでも反応したから、魔物に違いない。


 だけどこの魔物はなんだ。一目見て、俺は世界の歴史の教科書で見たある物と被った。


「鎧に長剣と盾、顔は鉄仮面……中世の西洋に出てくる甲冑にそっくりだ」


 どこからどう見てもそうだ。まさにファンタジー風のRPGに出てくるような姿形の鎧の魔物と言っておくべきか。

 そしてよく見たら、外へ通じる出口が見当たらない。いや、見当たらないんじゃない。この鎧の魔物が塞いでいるんだ。

 つまりこいつを倒さない限り、この先の盆地に進めないというわけだな。ならば話は早い。


「お前には恨みはないが、セリナとサリアのためだ。そこを通してもらう」


 ポーチから小石を取り出した。さっき戦ったレッサーリザードよりは強いはずだから、少し大きめの石で攻撃しよう。

 鎧の魔物の顔面目掛けて、俺は小石を投じた。


 カァアアアアン!!


「効いてない?」


 鎧の魔物は小石がぶつかっても、ビクともしない。なんという頑丈さだ。オークやレッサーリザードも一撃で倒したのに。

 となれば、少し球速を増した方がよさそうだ。さっきのはだいたい球速130kmほど、今度は150kmを投げるか。


 バァアアアアアン!!


 さすがに今度ばかりは効いたのか、鉄仮面の部分にどでかい穴が生じた。

 でもその穴を見て驚いた。中は真っ暗だった。鎧の中身が気になっていたが、まさか空洞なのか。

 正体が気になるが、今は気にするのはやめよう。とっとと倒して、ヤドゥークリ草を採りに行くんだ。


「じゃあ、三球目行くぜ」


 中身が空洞なら、心臓があるかわからない。だけど俺は念のため心臓があるだろう胸の部分目掛けて、小石を投げた。


 カキィイイイイン!!


「動いた!?」


 三球目は直撃しなかった。よく見たら、鎧の魔物は咄嗟に鞘から剣を抜き出し、刀身の部分で小石を弾き飛ばした。

 それまで全く動かなかったのに、急に動き出すとは。予想外の展開だが、恐らく俺がある程度ダメージを与えたんで、反撃モードに移ったんだな。


 逆に考えれば、剣で防いだということは倒せるってことだな。

 鎧の魔物は立ち上がった。巨大に輝く刀身、天井まで届くほどの巨体で思わず圧倒されかけた。

 そして鉄仮面に空いた穴が不気味に青く光り出す。


「しゅぅううううう……こぉおおおおおおおお!!」


 魔物の鳴き声なのか、あるいは人の呻き声にも聞こえそうな不気味な声だな。確かにシモーヌの言う通り、とんでもない化け物がいたな。二十年前にも遭遇しなかったタイプだ。


 似たような魔物なら、ナイトガーディアンという奴がいた。そいつも全身鎧の姿だったけど、持っていた武器は鉄球だったし、なにより大きさも三メートルほどだった。

 でも今目の前にいる奴は明らかに違う。十メートルは下らないし、頑丈さだって桁違いだ。


「面白くなってきたじゃないか」


 俺の中の闘争心が湧いた。久しぶりに強敵に戦える、もしかしたら俺は戦いに飢えていたのかもしれない。

 さっそく手に入れたミスリル製の棍棒が役に立つな。


「来るか」


 鎧の魔物はゆっくり動き出す。図体がデカいから、的当てには最適だ。さっきは弾かれた小石だが、複数個同時に投げたらどうなるか試した。

 三個同時に顔面目掛けて投げるも、全て剣で弾き返される。思った以上の剣捌きだ。これは簡単に倒せそうにないな。


 こういった相手には魔法攻撃が有効だと聞く。だけど俺は魔法が使えない、あくまで野球術だけ。でも打開策がないわけではない。


「投球が駄目なら、打球で……」

「こおおおおおおおおお!!」

「これは!?」


 鎧の魔物は大きく剣を持ち上げた。その直後、大きく振りかぶると俺に向かって巨大な衝撃波が走って来た。

 衝撃波をかわすのは造作もないことだ。だが俺の後ろの壁に深い溝が生じた。

 喰らったら一たまりもないだろう。その時、壁から大きく削り取られた岩石の破片に目が止まった。


「これくらいの大きさなら、いけるな」


 俺は咄嗟に近くに落ちていた拳大の岩石の破片を手に取った。そして振り返ると、またも鎧の魔物は剣を真横に振りかぶった。


「そっちがそう来るなら、俺もお返しだ」


 向かってきた衝撃波に向かって、俺は棍棒をフルスイングした。

 俺のスイングスピードで強烈な風を巻き起こせる。素振りの練習の際に、よく木々をなぎ倒したほどだ。

 衝撃波だって、俺のフルスイングの前にかき消された。


「相手が悪かったな」

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