うるうる
うごめいて
うごめいて
うごめいている
ゆらめいて
ゆらめいて
ゆらめいている
台風一過の夕暮れ前の空に浮ぶ白月はとてもきれいだった
やがて、薄明が沁みた藍色を映した川面には金色の月が浮かんだ
川橋から見る街なみ
ベッドライト、信号機、建物の灯り、、
川面に揺れてどこまでもうるうると波打っていた
海へとつづく藍色の川面は
うるうる、うるうるとして流れてゆく
とても綺麗だった
あのひとの一部
雨の粒の子 風の粒の子 涙の粒の子
波風に
うごめいて
うごめいて
うごめいている
ゆらめいて
ゆらめいて
ゆらめいている
波風よ
わたしの一部も あのひとへ 届けてよ
雨の粒の子 風の粒の子 涙の粒の子
うるうる、うるうると流れてゆけ