表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/19

第一章

みんなうーんと唸りこんで思い出している。

あたしだったらすぐパッと出てくる。


「27・・・ないくらいかなっ」


幼馴染の蓮華(れんげ)が言った。

ツヤツヤできれいなポニーテールをゆらゆらさせながら言った。

27か・・・ほど遠いかもしれん。

するとひょこひょこと声が聞こえてくる。

隣の席に無断で座り、おさげヘアーの(あけみ)


「あけみは22っ!」


20を切る奴はいないのか・・・。


「あずちゃんはっ?」


あずってのはあたしの名前。苗字は中西(なかにし)

とりあえず適当に笑ってごまかしておいた。

そしたら「なんだなんだと」前方の席の駿弥(しゅんや)がこちらを向いた。

女の子の会話の中に首をはさみこむ。


「俺は24ね」

「あー・・・そうですか」


そして蓮華様に掌を握ってもらうことにした。

痛い痛い・・・掌がつぶされて行くかのよう。


「・・・自重してください」

「え・・・?じちょん?」


さらに掌は強く握りしめられた。

痛みをこらえながらも朱の方へと視線をやる。

どうやら駿弥と一緒に握り合っているようだ。


「あぁ・・・・もういいです・・・」

「ふぅーっ!」


蓮華はくるりと一回転をして見せた。

回って誤魔化すのは別として、右手を握らせるんじゃなかったと思う。

するとこんどは朱が


「握ってっ!」


なのであたしはゆっくりと手を差し出す。

今度は左手ね。まずはあたしから握ってみる。


「あははっ痛くないねぇー」

「・・・うぅっ」


後者は悶える声である。

握力を確かめ合ったが妙に蓮華と朱の差がありすぎる・・・。

きっと、平行に握ってるのか垂直なのかの問題かな。


「えぇー、そう?そんなに蓮華変な握り方したっ!?」

「あ・・・いやぁ・・・はいっ」


んもうっと怒られた。

ほんとですよ。握り方が酷いです。

っとここで予鈴が鳴る。

6時間目の授業・・・今日は特別に部活は無し。

うちの部だけだと思うけどね。

普通、吹奏楽部がこんなにすんなり休日にしちゃっていいのかね・・・?


それぞれ席に着いた。

もうほとんどのひとが夏服。

本当は13歳になるまで冬服で通そうと思っていたけど、あまりにあっついので諦めた。

13歳になるまであと1週間を切ったこの日である。

つまらない授業を終えると一同起立、礼。

そして帰りの準備をして押し出されるかのように一同は教室から流れ出た。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ